ダニエル・リカルド、キャデラック有力候補報道の一方で…F1復帰の可能性は如何ほどか
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2026年にF1に参入するゼネラル・モーターズ(GM)/キャデラックと契約を交わし、ダニエル・リカルドが2度目のF1復帰を果たす可能性はあるのだろうか?
チーム取締役のマリオ・アンドレッティが示した「米国出身の若手ドライバーと経験豊富なベテランドライバーの組み合わせ」という方針は、リカルドの起用に合致する。リカルドはF1で8勝を挙げた実績に加え、複数のチームでの経験があり、ベテランとしての知識を新興チームに提供できる。
また、NetflixのF1ドキュメンタリー「Drive to Survive」の影響もあり、35歳のオーストラリア人ドライバーは米国においても非常に高い人気を誇る。リカルドのカリスマ性は、米国市場でのブランドイメージ向上やマーケティング効果を狙う上で大きな価値を持つ。
独Bild紙はリカルドがキャデラックの有力候補と伝えたが、一方で米ESPNはこの報道を受け、リカルドに近い筋からの情報として、キャデラック側から接触はなく、リカルド自身もキャデラックでのF1復帰に興味を持っていないと報じた。
リカルドが新参チームであるキャデラックに興味を示さない可能性は十分に考えられる。リカルドがRBから2024年のF1シーズンに復帰したのは、強豪レッドブルへの復帰のチャンスを掴むためだった。
一方、キャデラックが2026年の参入初年度から即座に競争力を発揮するのは極めて難しいと見られる。技術的な基盤整備の途上にあるため成績が低迷する可能性は高く、最下位争いに留まることが予測される。リカルドがそのような状況を受け入れるかどうかは疑問だ。
キャデラックに限らず、F1復帰そのものへの意欲も不透明だ。リアム・ローソンにシートを奪われて以降、リカルドはメディアへの露出やレッドブル陣営との関係を断っている。
F1でのラストレースとなったシンガポールGPを終えてリカルドは「ある意味、納得してる。誰にとってもいつかは終わりが来る」「これまでの14年間を振り返って、誇りに思っている」「一旦、勝つ喜びを経験すると、その後、ずっとトップ10のために戦い続けるのは難しいものがある。あの感覚に代わるものはない」と語った。
リカルドがレーシングドライバーとしてのキャリアを完全に引退したかどうかは定かではない。しかし、以前からたびたび関心を示していたNASCAR参戦への意欲は近年薄れているようだ。リカルドがF1で使用していたカーナンバー「3」は、NASCARの伝説的ドライバーであり7度のチャンピオンに輝いたデイル・アーンハートの影響によるものだった。
キャデラックの”ベテラン枠シート”のリストにリカルドの名前があるかどうかは明らかではないが、もう一つの”米国若手枠シート”には、コルトン・ハータの名前が挙げられており、こちらはアンドレッティが候補であると認めている。