レッドブル、メルセデスに”リアウイング異議申立”を警告! 疑惑の”痕跡”は違法の証拠?
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レッドブル・ホンダはメルセデスW12のリアウイングのメインプレーンが高速走行時に変形する事で空気抵抗(ドラッグ)を違法に減らしていると考えており、継続して使い続ければ国際自動車連盟(FIA)に異議申し立てを行うと警告した。
F1カタールGPの金曜会見の中でレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、予てから疑いの目を向けていたライバルチームのリアウイングに抗議するつもりはあるのかと問われ「勿論だ」と答えた。
タイトル争いを繰り広げるライバルのマシンがルールに準拠していないと考える理由としてホーナーは「メキシコGPとブラジルGPで目にしたストレートライン速度に関して私は、誰もが異常な状況だと悟っただろうと考えている」と説明した。
「パフォーマンス向上の理由の一つが新たに投じた新しいエンジンにある事は確かだが、時速27kmのクロージングスピードにおいてリアウイングの翼端板にウイングがたわんだ事でついたような痕跡が見られる。何が起きているのかは一目瞭然だ」
レッドブルが問題視しているのは、DRSを稼働させた際に角度が変わる上部フラップの方ではなく、動かずに固定されているはずのフラップ下部のメインプレーンの方だ。
詳細は不明だが、メインプレーンと翼端板の接触部の上側が完全に接着されておらず、スピードに応じて上部フラップから離れるようにたわみ、その変形の際にエンドプレートに擦り傷のようなモノが付いている、という事のようだ。
もしホーナーの主張が事実であれば、DRSを稼働させていなくても高速域でクルマのダウンフォースとドラッグを低減し、トップスピードを引き上げる効果が見込まれる。
260km/h以上でたわみ始めるとされるこのウイングの件については、前戦サンパウロGPの予選及び決勝レース前に、レッドブルのチーフ・テクニカル・オフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイとチーフエンジニアのポール・モナハンがFIAに対して問題を提起していた。
ホーナーは会見に同席していたメルセデスのトト・ウォルフ代表に対して直接「リアウイングのエンドプレートにある”スコアマーク(擦り傷)”をどう説明するのか」と問いただした。それに対してウォルフは「許される範囲内だと考えている」と答えた。
FIAは今年論争となったフレキシブル・ウイングの監視体制を強化すべく、車載カメラによって”たわみ”を視覚的に監視できるよう、各チームに対してリアウイングに円形状のシールを付けるよう指示しているが、レッドブルが指摘している箇所はフラップが邪魔でカメラから捉える事が出来ない場所にある。
ホーナーはSky Sportsとのインタビューの中で「あれが作動する様子はカメラからでは捉えにくく、隠されているのだ」と説明した。
サンパウロGPの予選後にパルクフェルメ違反で650万円の罰金を科された際、マックス・フェルスタッペンが触れていたのはW12のフラップではなくメインプレーンの方だった。
異議申し立てを盾に強硬姿勢を見せるホーナーに対してウォルフは、何もやましいところはないと主張した。
「彼の意見は彼の視点であり、説明を求められたり抗議されたとしてもレギュレーションの範囲内である事は疑いないと考えている」
「FIAはこれに関する全ての図面を持っているが、それはレッドブルが期待しているようなものではない。だから喜んでミルトン・キーンズ(レッドブルのファクトリー)にそれを送ってやっても良いし、(ウイングを)切り刻んでやっても良い。お望みとあらば何でもね」