レッドブル・ホンダ、メルセデスの「DAS」に対してFIAに正式抗議
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レッドブル・ホンダは2020 F1開幕オーストリアGPの金曜フリー走行を終えて、メルセデスが開発した2軸ステアリングシステム、通称「DAS」に関する正式な抗議を行った。
この革新的なシステムは、走行中のドライバーがステアリングホイールを前後させる事で前輪のトー角を変化させるもので、プレシーズンテストでその存在が露見して以降、各方面からその合法性についての疑問の声が上がっていた。
最終的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でイベントが中止されたものの、レッドブル・ホンダは3月のオーストラリアGPの際にもDASへの抗議を準備していたと報じられていた。
スポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)は、金曜2回目のフリー走行の最中にルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがドライブするメルセデス「W11」が、F1テクニカル・レギュレーションの3条8項および10条2項3に違反していたとして、レッドブル・ホンダが抗議を提出した事を明らかにした。
3条8項は可動部品を禁止する条項で、ドライバーの動きによって車両の空力特性を変更する事などを禁じている。10条2項3の方は、車両の走行中にサスペンションシステムの調整を禁止する条項だ。
レッドブル・ホンダからの抗議を受けスチュワードは、メルセデスの代表者に対して現地金曜19時10分に本件に関する報告をするよう指示した。土曜日の現地正午の3回目のフリー走行まで何らかの決定が下される見通しだ。
スチュワードはW11が違法か否かを判断する事になる。仮に規約に違反していると見なされれば、メルセデスは必要な変更を行わなければならないが、テクニカル・ディレクターを務めるジェームス・アリソンは2月のテストの際に、DASが合法であることに疑いはないと主張している。
合法であるとのお墨付きが得られれば、メルセデスはシステムの運用を継続する事ができるだけでなく、他チームが独自のDASシステムをマシンに搭載するといった新たな動きが起こる事も考えられる。