レッドブルF1、大胆な”ペレス好転策”を検討か「マックスの希望でもある」後半戦の方針を説明するマルコ

F1バーレーンテスト初日にパドックで会話するレッドブル・レーシングのチームコンサルタント、ヘルムート・マルコとセルジオ・ペレス、2024年2月21日(水) バーレーン・インターナショナル・サーキットCourtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレスの続投決定についてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、開発を通してRB20がドライブし難いものになってきたことが不振の理由であるとして、クルマの変更を通して状況を好転させることができると説明した。

ペレスは開幕6戦で4回に渡って表彰台に上がったものの、第7戦エミリア・ロマーニャGP以降は6位以上でフィニッシュできておらず、また3度の無得点に終わり、サマーブレイク中に解雇されるのではとの見方が広がっていた。

しかしながらベルギーGPの翌日に行われた首脳会議を経てレッドブルは、ペレスの続投を明らかにした。

会議の議題についてマルコは米ESPNとのインタビューの中で、ドライバーラインナップの検討だけでなく「状況を改善するために何ができるかを議論する定期的な話し合いの場でもあった」と説明し、「我々はクルマをもっとドライブしやすいものにするために努力しなければならない」と続けた。

「クルマがドライブしにくいほど、(ペレスと)マックスとの差が広がってしまう。マックスは本当に秀でた才能の持ち主だからだ」

「彼の場合、リアが滑り出してもスロットルを戻すことなく、『ちょっとナーバスだ』と言うだけだが、チェコは『難しい』とか『運転できない』と言う」

ペレスについてマルコは「長所があるし、レースでも勝っている」と評価しつつも、「マックスの隣にいるというのは別の話だ」として、「だから、もっとバランスを整えてクルマをドライブしやすいものにしようということになった」と語った。

「これはマックスの希望でもある。チェコと一緒に続けるのが最善だと思う」

11番グリッドから5位フィニッシュに留まったスパ・フランコルシャンでのレースを経てフェルスタッペンは、「僕らの最優先事項はクルマだ。今、集中すべきはそこだ」と述べ、ペレスのドライビングではなく車体の改善こそが最大の課題だと強調した。

ペレスの「主な問題」についてマルコは、一貫性のない成績の「アップダウン」であるとした上で、「何度か素晴らしい結果を残し、本当に素晴らしいパフォーマンスを発揮したが、その翌日にはマックスに0.5秒遅れを取ったりするような状況だった」と指摘した。

「彼がより安定的にレースを戦えるよう好転させられると我々は信じている」

マクラーレンを筆頭にライバルチームが車体改良を通して競争力を高めている状況とは対照的に、ESPNは複数の情報筋を引き合いに、レッドブルはペレスのマシンを今シーズン初めのスペックに戻すことを検討していると報じた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

サイドポッドのアンダーカットにフロービズを塗ったレッドブルRB20をドライブするセルジオ・ペレス、2024年2月22日F1プレシーズンテスト2日目

ひとまず首は繋がったものの、2025年も引き続きペレスがレッドブルに留まれるかどうかはオランダGP以降のパフォーマンス次第だが、それは姉妹チームで角田裕毅のチームメイトを務める35歳のオーストラリア人ドライバー、ダニエル・リカルドも同様だ。

RBについてマルコは「レーシング・ブルズはジュニアチームであり、今後もこの路線を続けていく。これは株主からの明確な意思表示だ」とした上で、「ダニエルがクルマに乗せられたのは、もし彼がユーキよりかなり速ければ、彼をレッドブル・レーシングに戻すというアイデアがあったからだ」と語った。

「だが、彼にも浮き沈みがあった。だからこれまでのところ、彼はレッドブル・レーシングのドライバーとしての基準を満たしていない」

リカルドのシートを脅かしているのは、昨年、5回に渡ってリカルドの代役を務め、見事なパフォーマンスでパドックに感銘を与えたリザーブ・ドライバーのリアム・ローソンだ。

9月までにレッドブルから2025年のF1シートが提供されない場合、ローソンは契約を解除して他のチームに移籍することができる。

ローソンについてマルコは「本当に難しい状況でクルマに飛び乗り、素晴らしいパフォーマンスを見せたリアムのようなドライバーにとっては厳しい時期だと言える。我々は彼を高く評価している。彼はチャンスを得るだろう。兎に角、待つ必要がある。9月には答えが出るだろう」と語った。

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