予選モード禁止︰ホンダ含む各エンジン陣営の反応は? メルセデス「懸念なし」
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F1は、メルセデスが優位性を持つと考えられている予選エンジンモードの禁止に向けて動き出したが、英国ブラックリーのチームは動じていない様子で、ルイス・ハミルトンは何の懸念も抱いていないと強気だ。
スパ・フランコルシャンで行われるF1第7戦ベルギーGPからの導入が検討されているこのルールは、週末を通して使用できるエンジンモードを1つに限定するもので、これにより予選でのパワーブーストが事実上禁止されることになる。
複雑奇怪な1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジンが2014年に導入されて以来、パワーユニットサプライヤー達は1周でのパフォーマンスを最大化すべく、エンジンモードを進化させてきた。
昨シーズン末に相次いで発行された技術指令書により”トリック”を塞がれたフェラーリエンジンは競争力を低下させたが、メルセデスは今季に向けて投入した最新型パワーユニットにおいて大幅な性能向上を果たし、今やグリッド上で最も強力なモードを持つエンジンと見なされている。
そのためメルセデスの反発は必至と思われたが、カタロニア・サーキットで行われたスペインGPの木曜プレスカンファレンスの中でハミルトンは「それが僕らのペースを落とすためのものである事は明らかだが、だからといってそれが彼らの望む結果につながるとは思わない」と語った。
また、ハミルトンのチームメイトであるバルテリ・ボッタスは「僕らは慌てているわけではない」と主張。レース展開並びにエンジンの運用計画に基づく出力と耐久性を考慮した結果として選定されるモード変更が行われない場合、レース中のオーバーテイクが困難となり、退屈なレースを助長する可能性があるとの考えを示した。
他のメルセデスユーザーはと言うと、レーシングポイントのランス・ストロールは「内容を詳しく知らない」としてコメントを差し控え、ウィリアムズのジョージ・ラッセルは、エンジンをフルに使って予選を戦えないのは「残念だ」と語っている。
競合陣営はシングルエンジンモードの導入をどのように捉えているのだろうか?
ホンダエンジン勢は、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが「エンジンモードを除けば、予選後のマシンに変更を加える事が禁止されているわけで、その点では良いこと」と述べる一方、アルファタウリのピエール・ガスリーは「F1は常に限界を押し広げ、(エンジン)効率を最大化しようと取り組んできた。その意味で残念だ」と語った。
ルノー勢はダニエル・リカルドが「今初めて聞いたけど」とした上で、「取り敢えずは答えはノーだ」と返答。「速く走ろうとする気持ちと純粋なパフォーマンスという観点から、F1マシンが1周を全開で駆け抜け、エンジン担当者がすべてを引き出そうとする行為はクールだと思うからね」と答えた。マクラーレンの2人は「何とも言い難い」との考えを口にした。
フェラーリエンジン勢はルール変更を支持するスタンスだ。シャルル・ルクレールは「僕らにとってはプラスにしかならない」と述べ、キミ・ライコネンは「予選モードがないから僕らにとっては何の違いもない」と語った。
現時点では未だルール変更はなされていないが、統括団体の国際自動車連盟(FIA)が各チームへと送った書簡の中で禁止の方向性が示されており、今月末のベルギーGPまでに技術指令書の発行によって予選モードが禁止される見通しとなっている。