フェラーリ、PUトラブルで”厳しい結果”に…ライバルの方が速いと認めるビノット代表 / テスト《3日目》
Published:
カタロニア・サーキットで行われたプレシーズンテスト1の最終日は、スクーデリア・フェラーリにとって”予想以上に厳しい結果”に終わった。セバスチャン・ベッテルはこの日の午前中にパワーユニットに問題を抱え、午後に向けてエンジン交換を強いられた。
ベッテルは午前9時のセッション開始後、C2及びC3コンパウンドを履いてのセットアップ作業を実施。この時記録した1分18秒384がベストラップとなった。その後、次のプログラムに取り掛かろうとした際に問題が発生。被害を最小限に留めるために、チームは無線ですぐに停車するよう指示を飛ばした。損傷したPUはマラネロへと送られた。
トラブルのためにベッテルが午前中に重ねたラップは僅か40周に留まったが、幸いにも午後イチでコースに復帰し、最終的に60周を重ねてトータルラップを100周にまで積み上げた。だがチーム広報はこのマイレージを「予想以上に厳しい」と表現した。
13番手タイムのベッテルと、この日のトップタイムを記録したバルテリ・ボッタス(メルセデス)とのギャップは2.652秒。履いていたコンパウンドは、ボッタスがC5に対してベッテルがC3と、条件が異なるため一概に比較は出来ないが、マッティア・ビノット代表は3日間を振り返って、自分たちよりもライバルの方が速いと認めた。
「テストに対するアプローチとプログラムの内容を変更したため、この3日間のセッションでは、セットアップを最適化してパフォーマンスレベルを探るような事はせずに、さまざまなエアロ及びメカニカル構成を試す事に注力した」
「昨年ほど私が楽観的ではないとは言え、現時点で私は我々よりも速いチームがいると考えている。それがどれ程度速いかについては判断が非常に難しいがね。ここ数日中に今回収集した全てのデータを確認する予定だが、現時点での我々は、彼らほど速くはないと思う」
ビノット代表の言う「彼ら」がメルセデスとレッドブル・ホンダを意味している事は明らかだ。実際にステアリングを握ってマシンをドライブしているベッテルはどのように考えているのか? 4度のワールドチャンピオンはSF1000の現在のパフォーマンスに懸念を示す一方で、シーズンは22戦と長く、挽回のチャンスはあると冷静を装う。
「気になってる事があるかって? 期待していた速さが得られていないから当然イエスだ」とベッテル。「でも何かを決めつけるには時期尚早だ。それに今季は22戦と凄くシーズンが長いから、いずれは巻き返せるチャンスがあると思う」
「全員の本当のパフォーマンスを評価するには、来週のテストと開幕のオーストラリアを待たなきゃ」
4日目のテストセッションは、4日間の休みを挟んで2月26日に行われる。ビノット代表は「来週のテストではパフォーマンス面の調査を開始して、開幕オーストラリアGPに向けての準備を整えるために、セットアップ作業と予選およびレーストリムでの通常テストに取り組む予定だ」と付け加えた。