ニューウェイ、長期契約でアストンマーチンF1に移籍「マネージング・テクニカル・パートナー」兼株主として2025年3月に合流
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アストンマーチンは2024年9月10日、伝説的なF1デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイを「マネージング・テクニカル・パートナー」およびチームの株主として迎え入れることを正式に発表した。
空力の鬼才とも称されるニューウェイは19年間に渡って在籍したレッドブル・レーシングを離れ、2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソと初めてタッグを組み、2025年3月1日より英国シルバーストンのチームで新たなチャレンジに取り組む。
ニューウェイのアストンマーティンでの基本年俸は2,000万ポンド(37億4,800円)で、ボーナスを含めると最大で3,000万ポンド(約56億円)に達すると報じられている。これはマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンと除く現行ドライバーの中で最も多い。
契約期間は明らかにされていないが、5年契約と見られている。
計25回ものF1タイトルに貢献してきたニューウェイとの契約についてエグゼクティブ・チェアマンのローレンス・ストロールは「アストンマーティンの歴史上最もエキサイティングなニュース」だと語った。
「エイドリアンはこの分野で最高の人物であり、彼がアストンマーティン・アラムコF1チームに参加することを非常に誇りに思う」
「世界チャンピオンシップを争うチームの構築に向けて、これは大きな一歩だ。エイドリアンがフリーになったと聞いた瞬間、何としてでも実現させる必要があると感じた。我々は本気だし、彼も同じだ」
「最初の会話では、我々が共有する一度きりの大きなチャンスに向けた強い意欲が確認された。エイドリアンはレーサーであり、これまで会った中でも最も競争心が強い人物の一人だ」
「シルバーストンで我々が築いたもの、つまりAMRテクノロジーキャンパスや、集まった優秀な人材、そして最新の風洞施設を見た時、彼はすぐに我々が目指すものを理解してくれた」
「我々は本気であり、彼も同様だ」
アストンへの移籍についてニューウェイは、チャンピオンシップ制覇を目指すストロールの飽くなき野心と決断、投資を含むその行動に感銘を受けたと語った。
「ローレンスがあらゆるものに注ぐ情熱と献身に私は大いに刺激・感銘を受けている。ローレンスは世界トップクラスのチームを作る決意だ」とニューウェイは語る。
「彼はチームオーナーでありながら、自ら積極的にスポーツに関わっている唯一の人物だ。その姿勢は、シルバーストーンに新設されたAMRテクノロジー・キャンパスや風洞の開発に表れている。それらは最先端の設備であるだけでなく、働きやすい環境を整えるレイアウトになっている」
「ホンダやアラムコのような素晴らしいパートナーシップを含め、ここにはアストンマーチンを世界選手権優勝チームにするために必要な全てのインフラが整っている。その目標達成に向けて全力で支援していきたい」
新しいパワーユニットとシャシーが導入される2026年シーズンに向けてニューウェイは、次世代マシンの開発に関与できるタイミングでチームに合流することになる。ニューウェイの強みの一つは、その経験と洞察を通して新しいレギュレーションで求められる最適解を導き出し、車体コンセプトを立案する点にある。
ニューウェイは再びホンダとともに仕事に取り組むことになる。レッドブルの最高技術責任者(CTO)としてニューウェイは、2019年からホンダと協力して車体設計に取り組み、 2年後の2021年にマックス・フェルスタッペンをキャリア初のドライバーズチャンピオンに導いた。
かつての部下達とも再会することになる。アストンマーチンは2022年初頭にテクニカルディレクターとしてダン・ファローズを迎え入れるなど、グランドエフェクトカー時代をリードするレッドブルから何人かの優秀な人材を引き抜いている。