F1オランダGP決勝グリッドとタイヤ戦略考︰激戦必須の注目トップ3チームの狙いは同じ?

最終コーナーを抜けてホームストレートにアプローチするアルファロメオC42、2022年9月3日F1オランダGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

9月4日(日)の日本時間22時より開催されるF1第15戦オランダGPの公式スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想される決勝のタイヤ戦略を見ていこう。

前走車追随可能なグランドエフェクトカーが導入されたとは言え、依然としてオーバーテイクが困難と見られるザントフォールト・サーキットでグリッド降格ペナルティを受ける事は得策とは言えず、今週末は以下の3名がパワーユニットを交換しているが、いずれも規定の範囲内だ。

  • セルジオ・ペレス(2基目ES)
  • フェルナンド・アロンソ(6基目エキゾースト)
  • エステバン・オコン(5基目エキゾースト)

ギアボックスに関してはルイス・ハミルトン(メルセデス)が今季3基目のケース及びカセット、そして同じく3基目の駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を新たに開封したが、こちらも降格対象外だ。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」

よって現時点では予選順位とグリッドの間に相違はなく、ポールポジションにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、最前列2番グリッドにシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並ぶ。角田裕毅(アルファタウリ)は9番グリッドからの入賞を目指す。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ポールポジションを獲得してオランダ出身のキックボクサー、リコ・ベホーベンに担ぎ上げられるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年9月3日F1オランダGP

想定されるタイヤ戦略

初日とは異なり気温が上がった事で、土曜はサーマル・デグラデーションに苦しむチームが見られたが、決勝が行われる日曜は土曜ほど暑くはならない見通しだ。降水確率は20%。

公式タイヤサプライヤーのピレリのシミュレーションではソフト、ミディアム、ミディアムと繋ぐ2ストッパーが理論上の最速のストラテジーだ。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2022年F1第15戦オランダGP決勝レースのタイヤ戦略予想図

ザントフォールトはピットレーンの制限速度が60km/hと低く、ロスタイムが比較的大きいため1ストッパー狙いもあり得るが、そのためにはハードタイヤを使う必要が出てくる。

ただ今週末のハードはソフトと比較して1周あたり約1秒のダウンがある事に加え、予報通りに雲が広がれば路面温度は下がり、タイヤの熱入れが困難になる事から、避けるチームが多いのではと思われる。

実際、接戦の三つ巴が期待されるレッドブル、フェラーリ、メルセデスの各陣営はいずれも2台に2セットの新品のミディアムコンパウンドを残しており、ピレリ予想の最速戦略を想定している可能性が高い。

とは言え、コース上での追い抜きが困難であれば、ライバルからポジションを奪うために2台の戦略を分けてくる事は十分に考えられる。

トップ3チーム以外に同じく2セットの新品ミディアムを温存しているのはウィリアムズとハースが挙げられる。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2022年F1第15戦オランダGP決勝レースに向けた各ドライバーの手持ちタイヤ

最終のターン13~14でのDRSが解禁された事でオーバーテイクがどの程度容易になるか、またグランドエフェクトカーの導入が追い抜きにどう影響するかによって、ストラテジストは臨機応援に戦略を再検討する事になるだろう。

また、鈴鹿のようにコース脇にグラベルトラップが敷き詰められているため、セーフティーカーやVSC導入の可能性が高く、ピットストップによるロスタイムを最小限に抑える事ができるチャンスがある事も指摘しておきたい。

2022年F1オランダGP 決勝グリッド

72周で争われるF1オランダGPの決勝レースは9月4日(日)現地15時、日本時間22時にフォーメーションラップが開始される。日本ではDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1(-)
2 16 C.ルクレール フェラーリ 2(-)
3 55 C.サインツ フェラーリ 3(-)
4 44 L.ハミルトン メルセデス 4(-)
5 11 S.ペレス レッドブル・RBPT 5(-)
6 63 G.ラッセル メルセデス 6(-)
7 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 7(-)
8 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 8(-)
9 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 9(-)
10 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 10(-)
11 10 P.ガスリー アルファタウリ・RBPT 11(-)
12 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 12(-)
13 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 13(-)
14 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 14(-)
15 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 15(-)
16 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 16(-)
17 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 17(-)
18 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 18(-)
19 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 19(-)
20 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 20(-)

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