ミック・シューマッハ、FP2でバリアに激突も前向き「おかげで限界が分かった」
Published:
ハースF1チームのミック・シューマッハは5月20日(木)に行われた2021 F1第5戦モナコGPの2回目のフリー走行でクラッシュを喫し、木曜唯一の赤旗の原因となったが、皇帝のDNAを持つ22歳のドイツ人ドライバーはこの事故を前向きに捉えている。
FP2の終盤、サン・デボーテを抜けて丘を駆け上がっていったシューマッハは、マスネ(ターン3)の外側のバリアに激突した。タイヤはパンクしリアサスペンションは損傷。足を引きずりながらピットへと向かったが、ヌーベルシケイン脇にマシンを停めた。
ハース勢はオープニングセッションでシューマッハが18番手、チームメイトのニキータ・マゼピンが17番手につけ、午後のFP2ではシューマッハが19番手、マゼピンが18番手という結果だった。
クルマを降りたシューマッハは「クルマの感触もチームのフィーリングも最高だった。燃料を積んだ状態で走行していたラップで少し問題を抱えてしまったけど、それもモナコの一部だよね?」と1日を振り返った。
「ここではミスが一切許されない。でも僕は僅かにミスを犯してしまい、こういう結果になってしまった。でもおかげで限界が分かったし、自分がどこまでやれるのかも理解できた」
「全体的には非常に上手くいった1日だと思う。もちろん、何を改善しなければならないか、どこでタイムをロスしたかは分かってる」
ハースF1チームは2022年に幕を開ける次世代レギュレーションにリソースを投じるべく、今季に向けてはシャシーの開発を断念している。シューマッハはこれに触れて、アップデートがないが故にセットアップ作業への取り組みの重要性が高いことを指摘した。
「大きなアップグレードは予定していないと言わざるを得ない。だからこそ改善の余地があるのはセットアップなわけだけど、チームはこのエリアで進歩を続けている」
「とは言え、ここはモナコだし、予選になるまでは何も分からないから、僕らとしては自分たちの仕事を、そしてルーティンワークをこなして、予選に向けてできる限りの準備をするだけだ」
チーム代表のギュンター・シュタイナーはシューマッハの事故について「単純に少しチェコ(セルジオ・ペレス)に接近し過ぎてダウンフォースを失い、瞬時にオーバーステアに見舞われた事で立て直せなかっただけだ。クルマのダメージは大きなものではないし土曜に向けて問題は何もない」と語った。
初日をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール。2番手にはカルロス・サインツが続きフェラーリがタイムシート最上部を占拠した。3番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)という結果となった。
F1モナコグランプリ3回目のフリー走行は休息日の金曜を経て、日本時間5月22日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってモンテカルロ市街地コースで開催される。