角田裕毅、ホンダの信頼性に懸念なし…エンジン過酷なF1メキシコGPに向け課題を説明
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F1世界選手権第20戦メキシコGPの舞台、エルマノス・ロドリゲス・サーキットは標高約2285mの高地に位置するため、海抜0m地点と比較して22%も空気が薄く、ドライバーだけでなくエンジンやマシンにとって非常に過酷なコースだ。
マシン内部やブレーキダクト内に流入する空気量の減少により冷却効率が低下する。チームはダクトやサイドポッドの給気口面積を2、3割拡大するが、それは冷却性能を向上させる反面、ドラッグを増大させる。バランスを取るのは難しい。
空気が薄くエンジンの出力が低下するため、これを補うためにタービンやコンプレッサーにも大きな負荷がかかる。つまり、ターボチャージャーやMGU-Hの信頼性と効率が問われる。また、排気ガスが減るためにMGU-Hで回生できるエネルギー量も減少するが、ホンダはこれまで、そんなメキシコで他のパワーユニット・サプライヤーに優位性を築いてきた。
角田裕毅(アルファタウリ)はメキシコGPに向けて「標高が冷却に与える影響を考えると、今週末のレースはクルマやブレーキ、エンジンの冷却に厳しいところがあります」としつつも、ホンダの信頼性に懸念は一切ないと自信を示した。
「ですが、信頼性に関しては何の心配もありません。ホンダはこれまでのところ、特にとんでもなく暑かったカタールGPを含めて、信頼性の面で本当に素晴らしい仕事をしてくれていますので!」
空気密度の低下はドライビングにも影響を与える。約22%のダウンフォースが減少することでグリップは低下し、コーナーの通過速度は下がる。クルマをドライブするのは本当に困難だ。
角田裕毅は「ドライビングに関しては、通常とは異なるアプローチを採る必要があります。というのも、このコースではハイ・ダウンフォースで走っても、その感覚がいつもとは違うためです。ですが対処方法は分かっています。身体面で標高は問題ありません」と説明する。
「メキシコは好きですし、ここでのレースには良い思い出があります。雰囲気は、特にフォロ・ソルのセクションは独特で、大勢の観客に囲まれたグランドスタンドの下を走ることになります。ドライブしていてもその熱気を感じることができるので、モチベーションも上がります」
前戦アメリカGPでは7月のベルギー以来、6戦ぶりとなる入賞を果たすと共に、チームに貴重な1点のボーナスをもたらした。2021年のデビュー以来、角田裕毅はアメリカGPで入賞圏外に終わった事がない。
「3年連続のポイント獲得という事で、オースティンは今や、僕にとってのお気に入りのコースのひとつと言えるでしょうね!」と角田裕毅は振り返る。
「コース上でもファクトリーでも、チームの誰もが懸命にプッシュして、アップグレードも上手く機能したようなので、みんなにとって嬉しい結果となりました」
「最終ラップでファステストラップを狙うと無線で言われた時は、これまでにやった事がなく、信じられない思いでしたが、結果としてこれを成功させ、2台の失格により更にポイントを上乗せできるポジションにいれて良かったです」
2022年F1メキシコGPはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシーズン14勝目を飾って年間最多勝利記録を更新した。
F1メキシコGPは日本時間10月27日(金)27時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。