レッドブル・ホンダ、控訴せず「フェルスタッペンの走りは驚異的だった…これ以上ない位に残念」
Published:
レッドブル・ホンダは裁定に控訴はせず、マックス・フェルスタッペンに科された3グリッド降格ペナルティを甘んじて受け入れる。F1メキシコGPのレーススチュワードは、予選Q3で黄旗を無視したとして、暫定ポールについていたフェルスタッペンに降格処分を科した。
FIAの国際競技規約では、シングルイエローが出た場合にドライバーに対して減速を義務付けているが、フェルスタッペンは事故発生の事実を知りながら、減速せずに事故現場を通り過ぎた事を認めた。
不運な側面があった事は確かだ。バルテリ・ボッタスのクラッシュによってセンサーが破損したことで、LEDボードやステアリング上の警告が機能せず、事故当時、通常よりもイエローコーションに気づきにくい状況が生まれていた。
とは言え、これは安全に関わる事項であり、また、マーシャルポストでは滞りなく黄旗が振られていた。裁定が覆る余地は一切ない。
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「フェルスタッペン選手のイエローフラッグ無視によるグリッド降格については残念に思っています。明日はポールポジションではなく4番手からのスタートになりますが、それによって我々のアプローチが大きく変わることはありません。両チームと協力して、最善の結果を得られるように万全の準備を整えて臨みます」と語った。
また、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は「マックスは予選を通して、驚異的なパフォーマンスを発揮していた」と切り出し、予選セッションを振り返った。
「Q1で最速、Q2では2番手、Q3では、シーズン2度目のポールポジションを獲得したはずだったものの、ボッタスのインシデントに対して十分に減速していなかったとして、グリッド降格を科され、ポールポジションを失ってしまった事はこれ以上ない位に残念だ。明日マックスは、4番グリッドからスタートする」
今回の降格処分によって、フェラーリが最前列を独占。フェルスタッペンは、予選5番手のアレックス・アルボンより一つ前の2列目から巻き返しに挑む事になる。ホーナー代表は、初日にクラッシュを喫し、セッション一つ分をほぼ丸ごと失ったアルボンの見事な挽回ぶりを称賛した。
「アレックスに関しては、初めて走行するサーキットでのFP2で走行時間を失ったにも関わらず、ルイス(ハミルトン)に対して僅差の予選5番手を獲得し、見事にリカバリーしてくれた」
「我々は明日のグランプリを、強力なグリッドポジションからスタートする。ここはオーバーテイクが難しく、また、前走車両に接近して走るのが難しいコースであるため、トラックポジションが重要だ。明日がどういった展開になるか楽しみだ」
2019年F1第18戦メキシコグランプリ決勝レースは、日本時間10月27日(日)28時10分から行われ、1周4304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事で勝敗を決する。