酸欠、事故の影響? ”奇妙”なエンジントラブルで今季ワーストのルクレール… 解決不能ならレースは「どうなるか分からない」
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F1メキシコGPを今季ワーストの7番手で終えたシャルル・ルクレールは、フェラーリ製パワーユニットが「奇妙」なトラブルに見舞われていた事を明かし、解決できない場合、決勝レースは「どうなるか分からない」と肩をすくめた。
フェラーリはシーズンを通してあらゆるコンディションで、特に1ラップペースにおいて高い一貫性を発揮してきた。ルクレールが今季9回のポールポジションを獲得している事がその表れだが、標高2000mオーバーの高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットでF1-75は競争力を欠いている。
予選ではポールを争うどころか、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に6番手を奪われる始末で、僚友カルロス・サインツもポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)からコンマ5秒遅れと、2台揃って全く奮わなかった。
サインツも同じ様に不振に見舞われている事から、車体側に課題があった事は明らかだが、ルクレールはサインツにはない特有のトラブルを抱えていたようだ。
予選を終えたルクレールは、F1-75が何らかのエンジントラブルに見舞われている事を明かして、日曜のレースまでに解決を試みる予定だと説明した。
「調べてみなきゃならないんだけど、予選ではストレートでかなりタイムをロスしてしまった。FP3も良くなかったし、調査する必要がある」とルクレール。
「どう言う訳か、今日はエンジンにかなりの問題が出ていた。ドライバビリティの面で色んなトラブルがあったんだ。エンジンがスロットル入力に対して反応しないんだ」
「高速コーナーのドライバビリティは本当に酷かったし、ストレートでもかなり遅かった」
可能性の一つとしてはFP2でのクラッシュの影響が考えられる。90分に延長されたセッションでルクレールは、ターン8進入でクルマのコントロールを失いバリアに激突。僅か13周でセッションを終え、クルマはリアエンドを中心に大きなダメージを負った。
フェラーリは土曜に向けてクルマをチェックした上で、パワーユニットやギアボックスの交換が必要となるような懸念はなかったとしているが、何らかの影響が出ていても不思議ではない。
原因についてルクレールは見当がつかないとした上で「一過性のものだと思うけど、本当に奇妙だった」と述べ、「明日に向けて修復できる事を心から願うよ。もし直せれば良い結果を残せるはずだ。でも直せないなら、どうなるかは分からない」と付け加えた。
もう一つ考えられる要因は空気密度だろう。メキシコシティは標高約2285mの高地に位置しており、海抜0m地点と比較して22%も空気が薄い。
そのためエンジンの出力は低下し、これを補うためにタービンやコンプレッサーに大きな負荷がかかる。また、排気ガスの量が減るためMGU-Hで回生できるエネルギー量も減少する。
The Raceによるとルクレールは「コーナリングスピードは標高に影響されないはずだから、タイヤやエンジンに何か問題があるのかもしれない」と述べ、標高がパフォーマンスに影響を及ぼしている可能性を認めた。
「エンジン面で言えば、標高の影響で思うように物事が進んでいないのは確かだ。ここに来る前から幾つかの部分で妥協が必要な事は覚悟していた」
「それに加えてタイヤだ。縁石やバンプを乗り越える際は兎に角、ドライブしにくい状況だ」
2022年F1メキシコGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にジョージ・ラッセル、3番手にルイス・ハミルトンと、メルセデス勢が続く結果となった。
メキシコGPの決勝レースは日本時間10月30日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4,304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを17周する事でチャンピオンシップを争う。