ホンダF1、”信頼性とパフォーマンスを考慮”して残り5戦で角田裕毅に新PU「後方からの巻き返しに期待」

ガレージからコースに向かうアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2021年11月5日F1メキシコGPフリー走行にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

残り5戦という終盤に至って遂に、今季4基目となるICE(内燃エンジン)を含めたパワーユニット(PU)コンポーネントが角田裕毅に投入された。ホンダ製PUを搭載する他の3台は既に年間上限基数を上回るPUを開封し、グリッド降格ペナルティを消化していた。

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは今回の新品投入について「シーズン残りのレースでのパフォーマンスと信頼性」を考慮して決定を下したと説明した。

4基目となるICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-K、そして7基目のエキゾーストを開封したことで、角田裕毅は予選結果に関わらず11月7日のF1第18戦メキシコGPを最後列からスタートする事になるが、田辺TDは巻き返しに期待を示している。

「グリッド後方からのスタートになってしまいますが、ここでは速さがあると思いますので、ポジションアップを果たしてくれると思っています」

フレッシュなエンジンは使い古したものより多くのパワーを引き出せる。初日プラクティスを見る限り、AT02の競争力はミッドフィールド最速を争う水準にあり、挽回は決して不可能な話ではない。

角田裕毅本人も「FP1の出だしからすぐに力強いペースを発揮する事ができました」と述べ、初日の出来には「かなり満足」と説明。クルマの仕上がりに手応えを得た様子を見せている。

ホンダは例年、セルジオ・ペレスの母国、高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットを得意としてきた。それは今週末も変わらず、11月5日(金)に行われた初日2回目のフリー走行では全車をトップ8に並べた。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:17.301 28
4 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:17.871 +0.570 26
6 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:18.429 +1.128 29
8 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:18.644 +1.343 31

「2年ぶりとなった今日のメキシコGP初日は、多くのファンがサーキットを訪れる中、本当に素晴らしい雰囲気の中でセッションが行われました。とりわけ地元のペレス選手に対して走行の度にスタンドから熱い声援が送られていました」と田辺TDは語る。

「そんな雰囲気の中、レッドブル・ホンダとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの計4は大きなトラブルなくプログラムを消化し、ともに良いペースで走行する事ができました。これについては前向きに捉えています」

「高地ということで、このサーキットでは通常とは少々異なるPUのセッティングが求められます。本日収集した多くのデータを解析し、明日以降のセッションに向けて最適化を進めていきます」


初日をトップで締め括ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)をコンマ4秒差で退けた。3番手にはコンマ5秒遅れでルイス・ハミルトン(メルセデス)が続いた。

F1メキシコグランプリ3回目のフリー走行は日本時間11月6日(土)26時から、公式予選は同29時から1時間に渡ってエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。

F1メキシコGP特集

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