2022年型F1マシンと前季型とのパフォーマンスは「大きく変わらないはず」とメルセデス
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2022年シーズン導入の新たな時代のF1マシンは従来型よりも遅い…新レギュレーションが発表された際はそんな見方が多く聞かれたが、メルセデスのテクニカル・ディレクターを務めるマイク・エリオットは新車と前季型とのパフォーマンス差は殆どないと考えている。
完全に予測不能なシーズンに向けて各チームは目下、開発の最終段階に差し掛かっている。メルセデスは新車「W13」がFIAクラッシュテストで失敗したとの一部報道を否定し、1月13日にホモロゲーションを取得した事を明らかにした。
同様の根拠なき憶測はアストンマーチンにもあったが、チーフ・コミュニケーション・オフィサーのマット・ビショップは新車「AMR22」の開発を「順調」と表現し、バルセロナでの第1回テストに「間に合う予定」と説明した。
オーバーテイクの促進を含むコース上のアクション改善を目指すF1は今年、技術規則に史上最大とも呼ぶべき大規模な変更を加えた。
驚異的なダウンフォースを発生させていた複雑な空力パーツは一掃され、マシンの最低重量は795kgへと引き上げられた。
更にパワーユニットに関しては燃料がE10へと切り替えられ、当初は秒単位でのペースダウンが取り沙汰されていたが、エリオットは「新しいクルマの全体的なパフォーマンスはおそらく、旧型と比較してさほど大きくは変わらないだろう」と指摘した。
「クルマは若干重くなった。加えてパワーユニットもE10燃料の影響でパフォーマンスが少し変わる事になる。更にエアロダイナミクスの機能方法や、これに伴うクルマのセットアップも変わる事になる」
「プレシーズンテストとシーズン最初の数戦で最大限のパフォーマンスを引き出してみるまで知る術はないものの、パフォーマンスという点に関して言えば、私は昨年と似通ったものになるのではとうすうす感じている」
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラによると各チームは、最新のシミュレーション分析を経て前期型とのパフォーマンス差を「0.5秒ダウン」と見積もっている。
ただしF1は技術競争が主戦場のモータースポーツだ。当初のパフォーマンスがどの程度にしろ、シーズンを通した開発競争によって終盤には2021年型に匹敵する速さに達するものとみられる。