F1アゼルバイジャン:黄旗無視と妨害でルクレールとペレスを処分
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他車に対する走行妨害でセルジオ・ペレス(レッドブル)が、黄旗を無視したとしてシャルル・ルクレール(フェラーリ)がそれぞれ、F1アゼルバイジャンGPで警告処分と戒告処分を受けた。
ルクレール、酌量の戒告処分
スチュワードは2024年9月14日の3回目のフリー走行を経て、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)のコースオフを理由として振られた黄旗を無視した疑いがあるとしてルクレールを召喚した。
ルクレールは前方のガスリーが視界に入る距離でターン2を通過した後、ターン3へと向かった。
ルクレールがターン3手前のマーシャリングパネル脇を通過した際、パネルには何も表示されていなかったが、ガスリーが右側のエスケープに飛び出したため、ルクレールがコーナーに進入する直前に、コース右脇の高い位置でシングルイエローが振られた。
テレメトリー調査とドライバーの証言を受けスチュワードは、その時点でルクレールは完全にブレーキングに入っており、さらに減速すれば事故につながる可能性があったと判断した。
ルクレールは聴聞会の中で、視界の右端に動きを感じたものの、コーナーのエイペックスを見ていたため、それが黄旗であるとは即座に認識できなかったと釈明した。スチュワードはこれを「合理的」な説明であると評価した。
コーナーを抜けたルクレールは、ミニセクター毎に最速タイムを刻んでいった。ターン3を抜けた先は完全にクリアであったが、その先のパネルはグリーンに点灯していた。これは、そのパネルがある位置まではイエロー区間であるということを意味する。
スチュワードは、ルクレールが危険な状況を招くことなく、全体として「妥当な行動」を取ったと判断し、黄旗が振られたタイミングが不運であったことから、これを「重大な酌量要因」とみなしたが、それでもなお、ターン3を抜けた先ではスピードを明確に落とすべきだったと結論づけ、戒告処分(ドライビング)を言い渡した。
1シーズン中に計5回の戒告を受けると、その競技会で10グリッド降格ペナルティが科せられる。レース中のインシデントにより5回目の戒告を受けた場合は、次戦で10グリッド降格となる。ただしいずれの場合も、戒告5回の内の4回がドライビングに関する違反であった場合に限られる。
サインツへの妨害でペレスに警告
同じくFP3セッションでは、カルロス・サインツ(フェラーリ)の走行をターン15で妨害したとして、ペレスに警告処分が下された。
ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団によると、チームは無線を通して後方からサインツが迫っているとペレスに伝えていたが、ペレスの反応が遅れたため、フライングラップ中のサインツはコーナーのイン側に進路を変えることを余儀なくされた。
ただしスチュワードは、これにより「危険な状況」がもたらされたわけではないとして、ガイドラインに従って警告という軽い処分を科すに留めた。