F1ロシアGP投入のフェラーリ新型ハイブリッド、大幅ゲインは期待できない?
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スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1ロシアGPで投入される新型ハイブリッドシステムによるパワーユニット(PU)のパフォーマンス向上に過度な期待を抱いていない。
跳馬はソチ・オートドロームでのイベント開幕を直前に控えた9月22日(水)、ロシアGPで最新スペックのハイブリッドシステムをルクレール車に投入する事を明らかにした。カルロス・サインツに関しては翌トルコGP以降の投入が予想される。
ルクレールに先行投入したのは、ハンガリーGPでランス・ストロール(アストンマーチン)に追突された際に、エナジーストア(ES)が故障に繋がるダメージを負った可能性があるとの判断によるものだった。
ハイブリッドシステムの仕様変更は2022年の投入が計画されている来季型PUの下準備の一貫で、8~9馬力程度の出力アップをもたらすものと理解されているが、ルクレールはソチでの木曜会見の中で、アップグレードによる大幅なゲインは期待できないとの考えを示した。
「少しでも良くなる事を願っているけど、大きな変化は期待していない。それでも開発は良い方向に向かって進んでいると思ってる」
サインツは新型MGU-Hについて次のように説明する。
「これは来年に向けたパワーユニット開発における実験で、チームが追い求めている方向性のものなんだ」
「チームはこのアイテムの開発を進めるために、かなり大きな労力を割いてきた。シャルルが実験台になってどう機能するのかを最初に試してくれる事になって嬉しいよ」
「上手くステップアップして、正しい方向に進むと良いんだけどね。それにシーズンのどこかの時点で僕にも投入されるはずだから、彼が今回のアップグレードで速くなるのを見たいと思ってる」
グリッド降格ペナルティによりルクレールは最後尾スタートを余儀なくされる事になるが、日曜レースはウェットコンディションになるとの予報も出ており、巻き返しに際しての恵みの雨となる可能性がある。
「今のところ、天気予報によれば雨が降るみたいだし、もしそうなれば予測不可能な荒れたレースになる可能性もある。僕らにとって有利に働くことを願うよ」とルクレール。
「でも仮にドライコンディションであったとしても、僕らにペースがあればここがオーバーテイクが可能なコースである事に変わりはないし、とりあえず様子を見てみたい」