メルセデス、大差で最前列独占…予選モード禁止について「レッドブル・ホンダはどう思っているだろうね」

2020年F1イタリアGPでポールポジションを獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンcopyright Daimler AG

新たな技術指令書の発行によって単一エンジンモードの使用が義務化され、予選モードが使えない中で初めて開催されたイタリアGP予選。「Strat 2」モード、通称「パーティーモード」が封じられたにも関わらず、メルセデスの予選での優位性は揺るがなかった。

メルセデス勢はモンツァ・サーキットで行われたグリッド争いで、ルイス・ハミルトンが1分18秒887のコースレコードを記録してキャリア通算94回目のポールポジションを獲得。チームメイトのバルテリ・ボッタスが2番手に続きフロントローをロックアウトした。3番手のカルロス・サインツ(マクラーレン・ルノー)とのギャップは0.808秒と大きく開いた。

メルセデスを貶めようとするものだとして、モード制限に苛立ちを感じた事を明かしていたトト・ウォルフ代表は予選を振り返り「新たなテクニカルディレクティブの下で行われた初の予選となった。興味深いものだった。今日はパーティーモードなしでの予選だった。この結果はファクトリーのハードワークを物語るものだ」と誇らしげに語った。

なお、予選モードの禁止に賛成の立場であったレッドブル・ホンダ勢は、最上位がマックス・フェルスタッペンの5番手に留まり、ハミルトンとのタイム差は0.908秒にも達した。

モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによって、英国ミルトンキーンズのチームは、事実上の予選モード禁止措置である今回の新たな制限の導入を国際自動車連盟(FIA)に働きかけていた事が分かっている。

予選トップ3会見ではメルセデスの2人に対して「パーティーモードが恋しい? それとも今日使ったモードの感覚はパーティーモードと大差なかった?」との質問が飛んだ。

何を言うべきか、言わぬべきか。パーティーモードなる造語の生みの親であるハミルトンは困惑したのか、隣に座っていたボッタスと見つめ合った後「自分達がパーティーモードを持っているだなんて考えた事はない。他の誰かが作ったものでしょ」と答えた。

すかさず司会者から、スパと比較してマシンの感触に違いはあったのか、とのフォローが飛ぶと「大体、スパでそのモードを僕らが使ったかどうかなんて一体誰が知ってるって言うんだい」と返した。

レッドブルの名前が出たわけではなかったものの、ボッタスの方は「クルマのフィーリングは良かった。エンジンのフィーリングも良かったし、さっきも言ったけど、決勝では更に良くなるはずだ。レッドブルは今回のエンジンに関するルール変更に一体どれだけ満足しているんだろうね」と答えた。

後続との差が予選以上に広がるのでは、との見方がある日曜のレースでは、基本的に全車が1ストップ戦略を採用する事が予想されるだけに、メルセデスが最大限の注意を払うべき唯一のポイントは、スタート直後のターン1までの区間と言える。

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