サインツ最速、その速さは本物か?ウィリアムズの手応え…F1テスト初日から進化したFW47

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2月27日に行われたF1プレシーズンテスト2日目にトップタイムを記録したのはカルロス・サインツだった。しかし、ウィリアムズのチーフエンジニアを務めるデイブ・ロブソンは慎重な姿勢を崩さず、テスト結果を過度に楽観視しないよう警戒を示した。
サインツは1分29秒348のベストタイムを記録し、古巣フェラーリのルイス・ハミルトンを0.031秒、シャルル・ルクレールを0.083秒上回りトップに立った。加えて単独で127周を走破し、マシンの理解を深めながら精力的にデータ収集を行った。
ウィリアムズはテスト初日から、ミッドフィールド勢の中で最も高いポテンシャルを秘めているように見えた。そして、2日目もその印象を強く残した。
ウィリアムズは昨年まで1年落ちのメルセデス製リアサスペンションを使用していたが、今季は最新型に変更。これにより、新たな特性への対処や調整が必要になったものの、チームはスムーズに適応しているようだ。
ロブソンはテスト2日目を総括し、「バーレーンで雨が降るのは珍しいが、それでもほぼ予定通りにプログラムを消化できた。マシンの信頼性も引き続き良好だ。これは設計の質の高さと、ここバーレーンで夜を徹して作業してくれたメカニックを含むチーム全体の努力の賜物だ」と述べた。
FW46をドライブするカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年2月27日(木) F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット) (1)
この日、ウィリアムズはレースシミュレーションではなく、燃料を多めに積んだ状態での走行を中心にセットアップとタイヤマネジメントの検証を優先した。
ロブソンは、「今日のマシンの動きは概ね良好だったが、ライバルチームと我々のプログラムには大きな違いがあるため、最終的なタイムシートの順位がそのまま開幕戦の予選結果を反映するわけではないことは理解している」と語り、テストタイムの過信は禁物であると強調した。
サインツは、FW47のバランス・感触が初日より改善されたと評価しつつも、テスト時間の不足を指摘。まだ検証すべき課題が残っていることを認めた。
「今日は本当に長い1日だった。雨や風による中断が何度かあり、リズムを掴むのが難しかったけど、全体としては良いプログラムを完了できたと思う」
「プレシーズンテストのタイムシートは必ずしも実力を反映するものではないけど、昨日と比べてもバランスやクルマの感触が改善されていると感じた」
「ただ正直なところ、もっとテストの時間が欲しかった。マシンの挙動やセットアップの変化への反応をさらに理解するには、もう少し走り込みたかった」
「とはいえ、現時点でできる限りの準備はできた。オーストラリアでの開幕戦で全力を出すのが待ちきれない!」
ウィリアムズはテスト2日目を通じて、FW47のセットアップを深く掘り下げ、開幕戦に向けての基盤を固めることに成功したが、燃料を軽くした状態でのタイヤチェックをテストプログラムの一環として行っていたようで、やはりタイムシートが示すものは限定的だろう。
それでも2日目を終えて、ウィリアムズのパフォーマンスは確かなものになりつつある。2024年の厳しいシーズンを経て、今季は本当のダークホースとしてミッドフィールド争いに名乗りを上げる可能性が高まっている。
ロブソンによれば、最終日の天候は今日よりも乾燥し、気温も上昇する見込みだが、強風の影響が懸念されるという。これは、FW47がさまざまなコンディション下でどのような挙動を示すかをさらに検証する絶好の機会となる。
テスト最終日となる3日目はアレックス・アルボンがステアリングを引き継ぎ、さらなるセットアップの最適化を進め、開幕戦メルボルンに向けた最後の準備を行う予定だ。
ウィリアムズの真のポテンシャルはどこまでなのか――最終日の走行により、その答えの一部が明らかになるかもしれない。