インディカー第2戦決勝:ハータが父に並ぶ4勝目…佐藤琢磨、怒涛の追い抜きで充実6位「素晴らしいレースができた」
Published: Updated:
2021年NTTインディカー・シリーズ第2戦ファイアストンGP決勝レースが4月25日(日)にセント・ピーターズバーグ市街地コースで行われ、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポーツ)が圧倒的な速さで今季初優勝を飾った。
まさに圧勝だった。ポールポジションからスタートしたハータは100周の中の97周でラップをリードし、2度のシリーズチャンピオンであるジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に2.4933秒差をつけてトップチェッカーを受けた。
参戦3シーズン目でのキャリア4度目の優勝によってハータは、現在アンドレッティ・オートスポーツでレース戦略を担当している父、ブライアンのINDYCARシリーズ通算勝利数に並ぶ事となった。
3位はシモン・パジェノー。伝統的にセント・ピーターズバーグを得意とするチーム・ペンスキー2台が2-3を占め、4位にフロントロウ2番手のジャック・ハーベイ(メイヤーシャンク)が、そして5位にディフェンディング王者のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が続く結果となった。
15番グリッドからスタートした佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は1周目を終えてスコット・マクラフリン(チーム・ペンスキー)とアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)を交わして13番手にポジションを上げると、第一スティントで次々とライバルを交わしディクソンを射程に。ただ仕留めるまでには至らず、迫るマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)を抑えて9ポジションアップの6位と大健闘のレースを戦った。
レースを終えた佐藤琢磨は「素晴らしいレースができたと思います」と語った。
「チームは戦略面で上手くやってくれました。ブラック、オルタネートのレッド、そして最後に再びブラックタイヤを装着しました。僕らにとって正しい戦略だったと思います」
「ボディワークに若干損傷があったため、幾らかダウンフォースを失い、ドラッグも多少増えていたと思いますが、マシンバランスは良好でした」
「ディクソンを捕まえるためハードにプッシュしましたが、今日の彼は速かったです」
「全般的に言って、チームは予選を経て素晴らしい仕事をしてくれたと思います。次のテキサスでのレースが楽しみです」
フロリダ州セント・ピーターズバーグのダウンタウンにある1.8マイル、14ターンの仮設ストリート・サーキットはこの日、強い日差しに見舞われ気温と湿度が上昇。予選5番手のセバスチャン・ブルデー(A.J.フォイト)がスタート前グリッドでトラブルを抱えたが、オープニングラップは大きな混乱もなく、ハータがホールショットを奪った。
最初のイエローは16周目。ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)が最終コーナーでバリアに突っ込みローカルイエローが出されたが、スタックして身動き取れない状況であったため、その後、18周目にフルコースイエローに変更された。
23周目にリスタートを迎えると、佐藤琢磨がターン1でジェームズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ)をパス。この際にホイール同士が接触し、ヒンチクリフは右フロントをパンクして予定外のピットストップを強いられた。
レースを終えたヒンチクリフは「忍耐を欠き才能を失ったタクマ」が自身のレースを台無しにしたと不満をあらわにした。
佐藤琢磨はその後、ヒンチクリフの僚友ライアン・ハンター=レイをオーバーテイクし、3ワイドになったリーナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター)とパトリシオ・オワード(マクラーレンSP)をWパス。一気にトップ9に踏み込んだ。
37周目には、トップ10を走行していた佐藤琢磨の僚友グレアム・レイホールとアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ)がターン4のブレーキングで接触。幸いにも両車レースに復帰したが、ともに大きくポジションを落として戦線離脱を余儀なくされた。
74周目にはジョンソンが再びスピンを喫して2度目のフルコースイエローに。隊列はリセットされ残り23周でリスタートを迎えたものの、オーバーテイクしようと無理やりイン側に飛び込んだエド・ジョーンズ(デイル・コイン)がヒンチクリフの横腹に突っ込み、80周目に再びペースカーの出番となった。
レースは残り18周でリスタート。レッドタイヤを履くニューガーデンが追い込みかけるも届かず、ハータが堂々のトップフィニッシュを飾った。
シーズン最初のオーバルイベントとなるインディカー第3戦は、来週末の5月1日(土)及び2日(日)にダブルヘッダー戦としてテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。
2021年INDYCARセント・ピーターズバーグ決勝結果
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 1 | コルトン・ハータ Andretti |
–.—- |
2 | 3 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
2.4933 |
3 | 4 | シモン・パジェノー Team Penske |
6.1496 |
4 | 2 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
8.0833 |
5 | 8 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
8.9497 |
6 | 15 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
11.6802 |
7 | 16 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
11.9393 |
8 | 20 | ウィル・パワー Team Penske |
13.2363 |
9 | 7 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
13.7194 |
10 | 5 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
15.9951 |
11 | 14 | スコット・マクラフラン Team Penske |
17.5926 |
12 | 17 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
18.5638 |
13 | 18 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
22.7276 |
14 | 13 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
24.1275 |
15 | 9 | グレアム・レイホール RLL Racing |
24.7928 |
16 | 19 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
48.1603 |
17 | 10 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
1 lap |
18 | 12 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
1 lap |
19 | 6 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
1 lap |
20 | 21 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
1 lap |
21 | 11 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
2 lap |
22 | 23 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
5 lap |
23 | 24 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
33 lap |
24 | 22 | マックス・チルトン Carlin |
82 lap |