渦中のレッドブルF1代表ホーナー「自信がある」初めて公に発言…疑惑やフェルスタッペン不和説、権力闘争の憶測を否定

クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシングチーム代表)とピエール・ワシェ(テクニカル・ディレクター)、2024年2月15日新車「RB20」発表イベントにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

渦中のレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表が初めて公の場で口を開き、自らにかけられた疑惑を全面的に否定すると共に、その背景にフェルスタッペン父子との不和説や権力闘争があるとの憶測を否定した。

2005年のチーム設立以来、ミルトンキーンズのチームを率いてきたホーナーは、従業員から不適切な行為があったとされ、現在、親会社であるレッドブルGmbHによる調査を受けている。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

RB20の脇に立つマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシングチーム代表)、2024年2月15日(木)にイングランド・ミルトンキーンズで行われた新車発表イベントにて

その最初の聴取が英国現地8日(土)、秘密裏にロンドンで行われた。独立した弁護士グループによる聞き取り調査は8時間に渡ったが解決には至らず、今後も引き続き調査が行われる見通しとなっている。

ホーナーは2月15日(木)の夜にミルトンキーンズで行われた2024年型F1マシン「RB20」の新車発表イベントに出席。疑惑発覚後、初めて公の場に姿を見せ、疑惑に関して英「Sky Sports」のインタビューを受けた。

50歳のイギリス人マネージャーは改めて疑惑を「完全に否定」すると共に、一時的にチーム代表兼CEOの職務から離れる事を検討したかと問われると、これについても否定し、早期の問題解決に対する期待を示した。

この問題に対するメディアの関心は高く、推定無罪とは言え、決着していない状況下で公の場に立つのは自身のみならずチーム全体にとって不要な重圧を産みかねない。

なぜイベントに参加する事を決断したのか?と問われるとホーナーは「私は疑惑を否定しているし、(参加するのは)通常通りの業務だ」と答えた。

「それに自信もある。そうでなければここに立つことはなかっただろう」

レッドブル2024年型「RB20」先代比較

疑惑が最初に報じられたのはマックス・フェルスタッペンの母国オランダで、一部にはフェルスタッペンやその父、ヨスとの間に何らかの摩擦があったのではとも噂されているが、ホーナーは「そんな事は一切ない。数日前にもシルバーストンでヨスとマックスと一緒だったしね」と返し、フェルスタッペンもまた、上司との関係は「普通」と説明し、「僕らはこれまでに多くを共に成し遂げてきた。いきなり(関係が)変わったりはしない」と付け加えた。

疑惑の背景には、レッドブル共同創業者のディートリッヒ・マテシッツが亡くなった事を受け勃発したとされる権力闘争の一環との見方もあるが、ホーナーは「我々は1つのチームであり、一つのグループだ」と述べ、新体制下のレッドブルGmbHとの緊張関係を否定した。

「株主からは絶大のサポートを得ている。この支援がなければ我々はここにいなかっただろう。だからそれは事実ではない」

レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコもホーナーと同じように「憶測というものは常に流れるものだが、我々は一つのチームとして団結している。それはこれからも変わらない」と語った。

調査が今後、どのような進展を見せるのかは分からないが、ホーナーは3月2日に開幕を迎えるバーレーンGPでも現地に足を運ぶと強調した。

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