ペレス解雇の憶測の中でホーナー、角田裕毅のレッドブルF1昇格の可能性を除外せず
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セルジオ・ペレスがサマーブレイク後に解雇されるのではとの憶測が渦巻く中、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は角田裕毅(RBフォーミュラ1)の将来的なシニアチーム昇格の可能性を除外しなかった。
ペレスは先月、レッドブルとの契約延長に合意したものの、直近の5戦のうち3戦でノーポイントに終わり、先週末のイギリスGPを経てコンストラクターズ選手権におけるレッドブルのリードは71ポイントに縮小した。
夏休み前の最終戦、ベルギーGPの終了時点でマックス・フェルスタッペンとの差が101点以上である場合、あるいはフェルスタッペンよりもランキングが6つ以上下回った場合、レッドブルはパフォーマンス条項を行使してペレスを解雇することができるとみられている。イギリスGPを終えてフェルスタッペンとペレスのポイント差は137点にまで拡大した。
ペレスの後任として取り沙汰されているのは、予選成績で3勝8敗、レース成績で4勝6敗(チームオーダーを考慮すると3勝7敗)とチームメイトに負け越している経験豊富なダニエル・リカルドと、リザーブ・ドライバーのリアム・ローソンで、角田裕毅の名前はほとんど上がっていない。
しかしながら蘭RacingNews365によるとホーナーは、角田裕毅が将来的にレッドブルに昇格する可能性について問われると「除外することはできない」と述べ、「彼に才能があると信じているからこそ、我々は複数年にわたる契約オプションを確保したんだ」と続けた。
後任最有力がローソンだと見る筋の根拠の一つは、今週木曜にシルバーストンで行われるRB20でのテスト、ホーナーが「数か月前から計画されていた」と説明するテストを担当するのがローソンであるためだ。
レッドブルは昨年のイギリスGP後にシルバーストンでテストを行いリカルドにステアリングを握らせた。その後リカルドは、ニック・デ・フリースの後任としてアルファタウリで角田裕毅のチームメイトを務めることになった。
角田裕毅はこれまで一度も、レッドブルのマシンでの走行機会を与えられてこなかった。
この点についてホーナーは「彼はレッドブル・レーシングのドライバーだ。レッドブル・レーシングと契約を結んでいる。いつかテストを受けるかもしれない。何が起こるか分からない」と語った。
角田裕毅は雨のシルバーストンを10位でフィニッシュして4戦ぶりにポイントを獲得した。一方のリカルドは13位でクルマを降りた。
角田裕毅本人やRB上層部が認めている通り、ホーナーもまた、角田裕毅が経験豊富な8度のグランプリウィナーの恩恵を受けているとの見方を示しつつも、「もうルーキーではない」として、成熟したドライビングを評価した。
「ユーキは良い仕事をしていると思う。幾つもの週末をまとめ上げ、また1ポイントを持ち帰った」とホーナーは語る。
「ユーキはもうルーキーではない。これまでにかなりの経験を積んできたし、これを上手く活かしているのが見て取れる。今日のような厳しいコンディションであっても、彼は本当に良いレースをしたと私は思う」