ハースからのF1参戦に前向きなコルトン・ハータ、ただしフェラーリ支援という条件付きで

マイケル・アンドレッティの祝福を受けるコルトン・ハータ、2021年4月25日インディカー第2戦セント・ピーターズバーグにてCourtesy Of Indycar

インディカー第2戦セント・ピーターズバーグでポール・トゥ・ウインを飾ったコルトン・ハータは、フェラーリの支援付きという条件であれば母国アメリカを本拠とするハースからのF1参戦に興味があると認めた。アメリカ人F1ドライバーは2015年のアレクサンダー・ロッシを最後に途絶えている。

アンドレッティ・オートスポーツに所属する21歳の米国人ドライバーは、開幕バーバーではジョセフ・ニューガーデンを起点とした多重事故に巻き込まれリタイヤを強いられたものの、続く第2戦ではレースの97%でリードラップを築く圧倒的なパフォーマンスを発揮。錚々たるベテランドライバー達を力でねじ伏せた。

最年少ポールポジション記録と最年少優勝記録という堂々のレコードを引っさげ、シリーズ主役級の一人へと成長を遂げつつあるハータは、2015年からの2年間に渡って渡英し、F4とF3に参戦していた事もあってF1参戦への強い興味を認めている。ただし条件付きだ。

RACERによるとハータは「F1に行く予定はないし、ジーン・ハースと3年契約を交わす予定もないけど、フェラーリとの契約ならサインするだろう」と述べ、トップチームへと至る道筋があるのであれば、ハースのような非力なマシンであってもドライブしたいとの意向を示した。

「ハースへの移籍話があれば興味はあるけど、正直なところ、それはフェラーリが支援するプログラムがある場合に限る。それなら上を目指すチャンスがあるからね」

とは言え、噂や外野が幾ら盛り上がっても実際に契約書にサインを交わすまで何も意味がないとして、とあるF1チーム代表から第2戦での優勝に対する祝福のメッセージを受け取ったというハータは転向話と一定の距離を置く姿勢を見せている。

実際問題としてハータがハースのシートを掴むためには、スーパーライセンスもさることながら、ミック・シューマッハ以上の才能がある事を証明した上でフェラーリがもたらす以上の財政的メリットをもたらすか、またはニキータ・マゼピンが持ち込む多額のロシアンマネーを凌駕するドル札を用意する必要がある。

ただF1はCOTAに加えて来年よりマイアミでもグランプリを開催する事を決めており、オーナーのリバティ・メディアが若く有望なアメリカ人ドライバーを求めている事は明らかだ。

なお、アンドレッティのチームオーナーであり、元F1ドライバーのマイケル・アンドレッティは、仮にフェラーリからの電話であれば邪魔するつもりはないが、選手権で下位争いを繰り広げるチームからのオファーの場合はキャリアのためにならないとして、ハータを説得したいとの考えを示している。

インディ500が1950年から1960年までF1世界選手権の一部に組み込まれていたため、米国出身のF1ドライバーは過去233名と非常に多いが、インディ500のみの出走者を除けば56名であり、10戦以上に参戦した者に絞ると僅か19名に留まる。

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了