沈黙を破るGM、アンドレッティの参戦拒否を巡りF1に異議 会合を要請…車体開発を継続

ゼネラルモーターズ(GM)のロゴ、2022年1月25日Courtesy Of GM

競争力不足を理由にF1がアンドレッティ・キャデラックの参戦申請を却下した事を受け米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が初めて公に口を開き、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)の主張に異議を唱えると共に、同社に対して会合を要請している事を明らかにした。

F1の統括団体である国際自動車連盟(FIA)は昨年、申請を承認したが、競争力が見込めず、”アンドレッティ”の名前はF1にとって大きな価値をもたらすものではなく、またチャンピオンシップの財務指標に有意なプラスの影響を与える事はない等として、F1はこれを退けた。

Courtesy Of Penske Entertainment

マルコ・アンドレッティとマイケル・アンドレッティ、2022年4月20日のインディカー・シリーズ・インディ500オープンテストにて

AP通信によるとGMのモータースポーツ担当副社長を務めるジム・キャンベルは、F1が参戦拒否の理由として挙げた先のような内容により同社が「侮辱された」と感じたかとの質問に対して2度に渡って回答を避け、参戦しても競争力不足に陥るとのF1側の主張に反論した。

キャンベルは、FIAが3団体を却下としてアンドレッティのみを承認した事に触れて「我々は自分たちの申請書に大きな手応えを感じている」として、「アンドレッティとキャデラックの間には、競争力を以て参入できる能力があると我々は信じている」と続けた。

「それが簡単だと言っているのではないが、我々の2つの組織の間には他のモータースポーツカテゴリーで成功してきた歴史がある」

キャンベルはまた、「レースチームとしてのアンドレッティ、そして製造・エンジニアリング企業としてのキャデラックの両方の能力を明確にした」として、「我々は申請書に自信を持っている」と付け加え、フォローアップのための会合を設けるようF1の経営陣に要求している事、そして現在も車体開発を継続している事を明かした。

Courtesy Of GM

ゼネラルモーターズ(GM)のUSパフォーマンスビークルおよびモータースポーツ担当副社長を務めるジム・キャンベル、2016年10月31日ネバダ州ラスベガスのSEMAショー

F1は申請却下を告げた声明の中で、アンドレッティが本申請を議論するための対面会合の招待に応じなかったと主張したが、アンドレッティ側が招待の事実を知ったのはこの声明によってであった。

F1の上級スタッフは12月12日にこのメールを送信したが、迷惑メールフォルダに振り分けられた事でアンドレッティはその存在を認知していなかった。また、返答がないにも関わらずF1はフォローアップすることもなかった。

F1が却下の理由に挙げた些か不可解なものの一つには、アンドレッティがカスタマーエンジン契約を強いられる状況は「チャンピオンシップの威信と地位を傷つける」というものがあった。

GMがパワーユニット・サプライヤーとして参戦するのは2028年であり、参戦が認められたとしてもアンドレッティはそれまでの間、他のメーカー、おそらくルノー(アルピーヌ)から供給を受けなければならない。

F1はGM製PUの搭載を前提として2028年シーズンへの申請が行われれば、今回とは「異なる見方をするだろう」として含みをもたせている。

キャンベルは、GMが2026年シーズンに向けてアンドレッティのためにパワーユニットを製造する事は物理的に可能だが、当初はパワーユニット・サプライヤーになる計画はなかったため、2026年の登録には間に合わなかったと説明した。

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