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一年中世界各国を飛び回るF1ドライバーにとって、最終戦アブダビ後のウィンターブレイクは束の間の休みとなる。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーはそんな貴重な休みを使い、マクラーレンのストフェル・バンドーンと共にフロリダ旅行に行った。
アブダビGPを終えたガスリーは中東ドバイに滞在した後、母国フランスへと戻って、4人の兄弟や友人たちとの束の間の休みを楽しんだ。そして、GP2デビュー時の同期であるバンドーン、ノーマン・ネイトらと共にフロリダへと飛び、NBA観戦やサイクリングに興じた。バンドーンのインスタグラムを見る限り、ふたりは年末年始を共に過ごしたようだ。
「今まで行ったことがなかったから、マイアミに行くことにしたんだ」とガスリー。「もちろん一人でじゃないよ。ストフェルとか他の友人達や、レーサーのノーマン・ネイト達と一緒にね」
「最近のフロリダは雪が降ったりするらしいんだけど、滞在中の天気は良かったよ。気温は23度位あったかな。でも帰国当日に雨が降ってきたんだ。運が良かった!その後は山にスキーに行ったよ」
「実際にはスキーというよりも、高地トレーニングなんだけどね。トレーニングは上手く行ったよ。それからルーアン(フランスの都市)に戻って、シミュレーター作業に取り掛かる前に、1週間の集中的なトレーニングプログラムをやったんだ」
©NatoNorman マイアミ・ヒートを応援するバンドーンとガスリー
奇しくも二人のF1への道のりは近似している。2015年にGP2を制したバンドーンは翌年にスーパーフォーミュラに参戦、そして2017年にマクラーレンからF1デビューした。ガスリーはバンドーンがチャンピオンとなった翌年にGP2を制覇、GP2王者としてスーパーフォーミュラに参戦した後、今年F1フル参戦を迎える。また、二人ともスーパーフォーミュラ時代にF1にスポット参戦している。
高地トレーニングと称したスキーを終えて仕事始めを迎えたガスリーは、2018年初のシミュレータ作業を完了した。昨年のシーズン途中でダニール・クビアトの後任としてF1デビューしたガスリーは、今年ホンダエンジンを迎えたイタリアの中堅チームであるトロ・ロッソでフルシーズンに挑む。
©svandoorne 左奥がノーマン・ネイト
開幕戦は3月25日とまだ先だが、ガスリーのスケジュールは早くもいっぱいだ。2月26日よりカタロニア・サーキットで行われるテスト前には、5週間に渡るフィジカル・トレーニングの他、ファエンツァにあるチーム本拠地で様々な仕事をこなす。
「2月の初めに、ファエンツァにあるトロ・ロッソのファクトリーに行く予定なんだ。もう2018年マシンのシート・フィッティングは終わってるけど、やることがいっぱいあるんだ。バルセロナでの最初のテストに向けて万全の準備をしなきゃならないからね」
「やる事が多いからテストはすごく忙しくなると思う。特に、新しいエンジンパートナーがいるから色んな作業が必要なんだ。テストでは可能なかぎり周回を重ねる必要があるから、信頼できるパッケージを用意する事が重要になると思う。車両やエンジン、そしてパッケージの改善プランについてよく理解する必要があるね」
「開幕のオーストラリアまでにテストできるのはたったの8日間しかない。十分とは言えないよ。でも、僕のモチベーションは高いし、またマシンをドライブするのが待ちきれないよ。正直に言うと、12月の初めから、来年のことばかり考えてたんだ!」
トロ・ロッソの主要人事に大きな変化はないがホンダF1レーシングは運営体制を一新する。現行のF1プロジェクト総責任者の役職は廃止され、長谷川祐介に代わり田辺豊治が陣頭指揮を執る。トロロッソ・ホンダ旋風の旗手として、若きフランス人ドライバーに大きな期待が集まる。