ガスリー、好結果に笑顔も「燃料流量違反」で予選失格…F1アゼルバイジャンGP最後尾スタートへ
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燃料流量制限に違反したためピエール・ガスリー(アルピーヌ)は予選失格となり、F1アゼルバイジャンGPを最後尾からスタートする。技術規定違反に伴う予選失格は2024年シーズンで4人目となる。
3回のフリー走行を通して下位に沈んでいたガスリーは、予選で一気にパフォーマンスを上げ、4番手でQ1を突破すると、Q2ではニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)やランス・ストロール(アストンマーチン)を抑えて13番手を刻んだ。
だが、セッション終了後の検査を経てFIAテクニカル・デリゲートのジョー・バウアーは、10号車A524について「瞬間燃料流量超過」があったと報告した。F1技術規則第5条2項3号は燃料流量を100kg/h以下に制限している。
スチュワードによるとアルピーヌは聴聞会で、「予期せぬ短時間の技術的トラブル」が原因であると説明し、違反があったと認めたが、同時に、これによりパフォーマンス面で利益を得てはおらず、実際にはタイムを失ったとして酌量を求めた。
しかしながら、FIA国際競技規定第1条3項3号は「クルマが技術規則に反していることが判明した場合において、パフォーマンス上の利点が得られなかったと主張することは抗弁とならない」としており、ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は通例に従い、ガスリーを失格とした。
予選資格は剥奪されたが、スチュワードがレース出走許可を与えたため、ガスリーは日曜のレースを最後尾からスタートする予定だ。
なお、周冠宇(ザウバー)は今季3基目のES(バッテリー)およびCE(コントロール・エレクトロニクス)の開封により最後方スタートを命じられたが、ガスリーの失格により19番グリッドからスタートすることになる。
今年のモナコGPでは、ハースのニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンが各々、リアウィングのクリアランス違反により予選失格となった。また、オランダGPではフロアの寸法違反により、アルボンが同じ運命をたどった。
スチュワードによる決定が下される以前にインタビューに応じたガスリーは、予想を超える好結果に笑顔を見せていた。
「驚いたよ!週末を通してずっと苦戦していたし、プラクティスを終えた段階では、17番手、18番手あたりだろうと思っていたからね」とガスリーは笑った。
「厳しい結果になるのは間違いないだろうなと思っていたし、予想を上回る結果だったから満足だよ」
「とは言え、このコースでは兎に角、クルマを機能させることができていないんだ。Q1とQ2では何とか良いラップタイムを出すことができたけどね」