伊転居で勢いづく角田裕毅、F3時代に入賞経験あるポール・リカールへ…2戦連続ポイントなるか?
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アルファタウリ・ホンダの角田裕毅が2021年FIA-F1世界選手権第7戦フランスGPに先立って、イギリスからイタリアへの転居を経て臨んだ前戦アゼルバイジャンの週末を振り返りつつ、今週末に向けての抱負を語った。
レッドブルはバクー市街地コースでの前戦を前に、角田裕毅を英国からイタリアへと移す事を決定。日本人ルーキーはアルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表の管理下、新たな環境での再出発を切った。
所属先チームの本拠近くに住まいを設けることは本人が当初から望んでいた事で、エンジニア達とコミュニケーションを取る量を増やし、ファクトリーでクルマに対する理解を深めていった結果、バクーでの前戦ではキャリア初の予選Q3進出を達成し、レースでは開幕バーレーンGP以来の入賞を飾って決勝での過去最高位を塗り替えた。
次戦の舞台、ポール・リカール・サーキットはバクーとは異なり角田裕毅にとって過去に走行したことのあるコースだ。イエンツァー・モータースポーツから参戦した2019年のFIA-F3選手権第3・4戦では各々7位と9位でフィニッシュした。
角田裕毅は6戦を終えて8ポイントを獲得し、現在ドライバーズランキングでランス・ストロール(アストンマーチン)に対して1点差に迫る14位につけている。
角田裕毅
フランスGPに向けて
幾つかの難しい週末を経て臨んだバクーではそれまでよりも遥かに上手く準備を整える事ができ、FP1が始まった段階から手応えを得る事ができていましたし、良い感触と共に結果を残す事ができたと思います。
レースの前の週にイタリアに移動して殆どの時間をファクトリーで過ごし、レースウィークに向けてのアプローチを検討したり、クルマが抱えていた過去の問題を調べたりしました。やり方を少し変えて、もっと頻繁にコミュニケーションを取る事にしたのですが、これが功を奏したように思います。
予選では初めてQ3に進出できましたし、決勝レースに対する取り組み方という点で新しいベースラインを作り上げる事ができたと思います。(赤旗からの)再スタート後に順位を落としてしまったのは残念でしたが、全体的な結果もまずまずで、僕としてはかなり満足しています。
アゼルバイジャンを終えて一旦イタリアに戻りました。天候も素晴らしく食べ物も美味しいですし、ファクトリーでエンジニアと話し合う時間も増えました。シミュレーター作業のためには英国に移動する必要がありますが、イタリアへの引っ越しは正しい決断だと思っていますし、僕としては本当に前向きに感じています。
次戦フランスGPの舞台、ポール・リカールはF3時代に2度走った事があるサーキットです。ポルトガルやモナコ、バクーは初めて走るコースでしたが今回は状況が違いますので、過去の走行経験がプラスに働いてくれると思っています。
とは言えF3マシンとF1マシンは異なります。タイヤのデグラデーションが重要なファクターになりますので、セクター3がラップの鍵を握る事になるだろうと考えています。
またここはかなり平坦なコースで、過去2戦とは異なり壁がなくランオフエリアが非常に広いので、限界を見出していく際にさほど慎重になる必要がありません。
更に、ここには低速の直角コーナーがなく僕らのマシンが好調だったアゼルバイジャンとはセットアップ面でも大きく異なり、全ての点で全く異なるサーキットと言えます。
楽しみにしていますし、またポイント圏内でフィニッシュできることを願っています。
フランスGPの戦いの舞台となるのは2018年にF1カレンダーに復活したポール・リカール・サーキット。全167通りものレイアウトを備える中、F1では1周5,842mのコースが使用される。
前回大会の2019年のグランプリでは、メルセデスのルイス・ハミルトンが、僚友バルテリ・ボッタスを18秒引き離してポール・トゥ・ウインを飾り、3位はフェラーリのシャルル・ルクレールと、予選TOP3がそのまま表彰台に上がった。
F1フランスGPは、日本時間6月18日(金)18時30分からのフリー走行1で幕を開ける。