FIA、2026年次世代F1マシンに「ライトウェイト・ヘイロー」搭載へ…入札を開始
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国際自動車連盟(FIA)は2026年の新たなテクニカル・レギュレーションに基づき製造される次世代F1マシンに「ライトウェイト・ヘイロー」を導入すべく、供給メーカーを募る入札を開始した。
次世代パワーユニットとシャシーが導入される2026年マシンは車両重量が大幅に増加する見通しで、クルマの俊敏性が損なわれ、またデプロイメント切れのリスクが増大する可能性がある事などから、統括団体のFIAは様々なエリアでの軽量化を模索している。
この取り組みの一環として、2018年にF1に導入されたコックピット保護デバイス、ヘイローの重量を削減すべくFIAは、関心のあるサプライヤーに「ライトウェイト・ヘイロー」の提案を呼びかけた。
主な条件としては、製造方法は自由ながらも材質はチタン合金で重量は「6kg以上」と定められており、2026年から2030年まで一貫した品質のプロダクトを製造・納品する事が求められている。
現行のヘイローの重量は7kgであるため、FIAは最大で1kgの軽量化を見込んでいるということだ。
2020年にバーレーン・インターナショナル・サーキットで発生した火災を伴う大クラッシュから生還したロマン・グロージャンが認めたように、ヘイローはこれまで複数回に渡ってドライバーの命を救ってきた。
軽量化によって安全性が損なわれるようでは意味がない。FIAは最大125kNの力を加える3種類の静的テストを実施し、プロダクトの安全性を確保する意向だ。
798kgという現行車両に対してでさえ、重すぎるとの批判が特にドライバーから多く寄せられている中、このままだと次世代マシンは800kgを優に超える事となり、シングルシーターというよりはもはや、スポーツカーに近いマシンになりかねない。
こうした事情を背景にFIAは、約20kgの削減をターゲットに車体の小型化を検討しており、車幅は2,000mmセンチから1,900mmへと100mm縮小され、ホイールベースも3,600mmから3,400mmへと200mm短くなる可能性があると見られている。