116日ぶり…ベッテルとルクレール、伊ムジェロでのF1テストを堪能

マスクを着けたシャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテル、2020年開幕オーストリアGPに向けたフェラーリのプライベートテストにてcopyright Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールは6月23日(水)、ムジェロ・サーキットで行われた2018年型F1マシン「SF71H」を使ったプライベートテストに参加し、バルセロナテストから116日ぶりにフォーミュラのステアリングを握った。

7月5日の開幕戦を前にライバルが準備を進めているのと同様に、PR目的での所謂”フィルミングデイ”を利用したこの日のテスト目的は、スピードや強烈なGフォースなど、ドライバーにドライビング感覚を取り戻させる事と合わせて、チームとして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のための新たなプロトコルに取り組む事にあった。

2020年シーズンの開幕戦となるオーストリアGPで想定される作業条件が再現され、メカニックとエンジニアはマスクを着用し、例年とは異なるガレージレイアウトの中でソーシャルディスタンスを遵守しながらの作業に取り組み、感染症対策のための手順を評価した。

最初にコックピットに乗り込んだのは、ロックダウン中に今シーズン限りでのチーム離脱が発表された4度のF1ワールドチャンピオンだ。1レース分に相当するマイレージを重ねたベッテルは、トスカーナのなだらかな丘陵地帯でのドライブを満喫した。ベッテルがムジェロを走行したのはレッドブル時代の2012年以来初めて事であった。

「例年よりもウィンターブレイクが長くなってしまった分、こうしてコックピットに戻ってこれて良かったし、ようやくチームの皆に会えて本当に嬉しかった」クルマを下りたベッテルはこのように語った。

「こんなにも素晴らしいコースで、F1マシンの素晴らしい感触を確かめる事ができて良かった。ムジェロはF1グランプリを開催するに値する場所だと思う」

「(ムジェロで)最後にドライブしたのは8年前だから、コースに慣れるまでに数周かかったけど、その後は本当に楽しめたよ」

午後は、先週の木曜日にマラネッロの公道で今季型「SF1000」を駆って以来の2度目のF1ドライブとなるルクレールが引き継いだ。ルクレールはカートからシングルシーターへとステップアップした2014年に初めてムジェロを経験しているが、F1マシンで走行したのは今回が初。ベッテルと同じようにグランプリに匹敵する距離を走りきった。

「ようやくトラックに戻ってこれて本当に最高の気分だ。寂しかったよ!長い休みの間はバーチャルレースで慌ただしかったけど、(開幕までに)現実のスピード感を体感しておく必要があった」

「ムジェロのような素晴らしいコースで初めてF1マシンをドライブできた事で、今日という日の思い出がより深いものになった。シーズン開幕に向けて、来週から本格的にスタートを切る事になる!」

この日のSF71Hのフロントサスペンションには、人種差別や不平等の是正を目指すF1の新たな取組み「#WeRaceAsOne」のステッカーが貼られていた。

チームはこれより来週末に控えるオーストリアGPに向けて、イタリアからシュピールベルクへと飛ぶことになる。

F1トスカーナGP特集

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