F1、中国でのグランプリ開催数増加を検討…薄れゆく日本GPの存在感

上海インターナショナル・サーキットcopyright Red Bull Content Pool

F1のグローバル・スポンサーシップ部門の責任者を務めるマレー・バーネットは新華社通信に対して、中国でのF1グランプリの開催を年に2度実施する方向で検討を進めている事を明らかにした。

F1中国GPは2004年に初開催を迎え、以降毎年、上海インターナショナル・サーキットで開催されている。F1を所有する米リバティ・メディアは中国の首都北京に現地オフィスを開設する事を決定するなど、中国での市場開拓に高い意欲を示している。

F1ストラテジー・マーケティング会議のために北京に滞在中のマレー・バーネットは「我々は中国で2度レースを開催したいと熱望している」と述べた。「現時点では開催スケジュールが詰まっているため恐らく少し先のことになるとは思うが、なんとかして良い手立てを見つけ出すつもりだ」

中国国内におけるF1への関心は決して高くはなく、現地観戦者はイベント3日間の延べ数で15万人弱ほど。日本グランプリの16万5,000人よりも少ない。だが、国営放送の中国中央電視台での無料放送が開始された事が大きく影響し、テレビ視聴者数は昨年、前年比3倍を記録。伸びしろが高いことは間違いない。

F1は原則として、1つの国で開催されるグランプリの数を1シーズンに1度と定めているが、過去幾度にも渡り1国2開催が行われた。この場合、「国名+グランプリ」という名称が使えないため「ヨーロッパGP」等という形で、地域名を用いることが通例となっている。中国でのレース開催が2回に増えた場合、「アジアGP」等という呼称が使われる事になる。

日本では他のアジア諸国に先駆けて、1976年に初めてF1のシリーズ戦を開催。78年から86年までの期間は中断したものの、静岡県の富士スピードウェイと三重県鈴鹿サーキットで開催され続けてきた。だが、2006年を境にグランプリの来場者は減少の一途を辿り、地上波でのテレビ放映も中止。市場としての魅力と存在感が薄れつつある。

未だ中国出身のF1ドライバーは現れていないものの、上海出身の周冠宇がルノーF1チームの若手育成プログラムに加入。中国人として初めてF1チームの開発ドライバーに起用されるなど、中国におけるF1人気の高まりは時間の問題といえる状況が生まれつつある。

「どうするかはチーム次第だが、我々としては彼をF1で見てみたいと思っている」とマレー・バーネット。「ルノーは、中国市場が如何に素晴らしいチャンスであるかを認識しているのだろう。どうなるかは全く分からないが、非常に近い内に周冠宇をF1で見れる可能性はある」

1999年のF1マレーシアGPを皮切りにF1のアジア市場開拓が本格化し、2004年に中国グランプリ、2010年には韓国グランプリ、2011年にはインドグランプリが相次いで初開催された。既に2020年にベトナムでの開催も決定している。だが、現地オーガナイザーが莫大な投資を行ったにも関わらず、中国を除くイベントは全て姿を消した。

中でも19年にわたって開催され続けてきたマレーシアGPの終了はファンに大きな衝撃を与えた。直接的な理由はテレビ視聴率や観戦チケットの売り上げ低迷とされるが、目と鼻の先で開催されているシンガポールGPに取って代わられたというのが実情だ。セパン・インターナショナル・サーキットのダト・ラズラン・ラザリCEOはシンガポールに顧客を奪われた事を認め、次のように述べていた。

「同じ地域で二箇所の開催があると、一方が潰されてしまいかねない」

2019年のFIA F1世界選手権第3戦として4月14日に決勝レースが行われる中国GPは、F1としてグランプリ通算1000回目の節目の大会となる。

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