F1、ウクライナ侵攻を受けロシアGPは「開催不可能」と発表

2018年F1ロシアGP 2日目のソチ・オートドロームCourtesy Of Red Bull Content Pool

ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けFIA-F1世界選手権は2月25日、ソチ・オートドロームで9月23日~25日に予定されているロシアGPを開催するのは現時点で「不可能」だと発表した。

F1ロシアGPは2014年以降、冬季オリンピック会場跡地周辺に建設されたソチ・オートドロームで毎年開催されてきた。2023年以降はサンクトペテルブルク近郊のオートドローム・イゴラ・ドライブに舞台が移される事が決定しており、ソチでの開催は今年が見納めとなる予定だった。

F1は24日に行われたF1チームとの会合を経て「FIA-F1世界選手権は人々を団結させ国を一つにするという前向きなビジョンを持って世界各国を訪問している」とのメッセージから始まる声明を発表した。

「ウクライナの動向について、我々は悲しみと衝撃をもって見守っており、現在の状況の迅速かつ平和的な解決を願っている」

「木曜日の夜、F1、FIA(国際自動車連盟)、そしてチームとの話し合いにおいてスポーツとしての我々の立場について議論した。そしてあらゆる利害関係者の見解を含め、現在の状況ではロシアGPの開催は不可能という結論に至った」

F1は「中止」という言葉を使っておらず、現時点では状況如何によって開催に含みを残しているものの、現実的には中止は免れないものと思われる。

先行き不安が指摘されているのはロシアGPだけではない。ハースとそのタイトルスポンサーであるウラルカリ社との関係継続、レースドライバーを務めるニキータ・マゼピンの将来も不透明だ。

ハースは25日のF1バルセロナテスト最終3日目に際し、VF-22からロシアンカラーを含めたウラルカリ社のブランディング一式を取り外した。またモーターホームからもウラルカリのロゴが取り外された。

ウラルカリはロシアのウラジーミル・プーチン大統領と近い関係にあるマゼピンの父ドミトリーが筆頭株主のロシア企業で、マゼピンのF1デビューと合わせて昨年、ハースのタイトルスポンサーに就任した。

ハースが本拠を構えるアメリカや、F1の本拠イギリスを始めとした各国はロシアへの追加制裁として主要金融機関との取引禁止や、ロシア人へのビザ発給制限を発動させており、マゼピンが今シーズンのF1を転戦できるかどうか危ぶまれている。

スポーツ界としてウクライナ侵攻への対処の動きを見せているのはF1だけではない。欧州サッカー連盟(UEFA)はチャンピオンズリーグ決勝の会場をサンクトペテルブルグからパリに変更すると発表した。

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