F1カタールGP:角田裕毅やハミルトン、サインツら5名に対する裁定を公表…不規則走行とタイム超過

闇夜に浮かぶロサイル・インターナショナル・サーキットを周回するセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年10月6日(金) F1カタールGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1カタールGPのスチュワードは10月6日(金)の予選を経て、計5名のドライバーに対する裁定を公表した。カルロス・サインツはマックス・フェルスタッペンに対する「不規則な走行」によって、角田裕毅、リアム・ローソン、ルイス・ハミルトン、オスカー・ピアストリはそれぞれ、指定タイムを超過した事で調査を受けた。

指定タイム超過、ハミルトンのみ召喚

Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

夕陽に包まれたロサイル・インターナショナル・サーキットを周回するルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年10月6日(金) F1カタールGP FP1

F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒは、予選、シュートアウト、スプリント中および後のインラップ、そして決勝前のレコノサンスラップにおいて「不必要な低速走行」による他車への妨害を予防するために、1分46秒0の制限タイムを設定した。

先の4名のドライバーは予選Q1で、この基準値より遅いタイムでラップを走行した。角田裕毅とハミルトンはそれぞれ2周、ローソンとピアストリは1周ずつ、このタイムを超過した。この中で召喚されたのはハミルトンのみだった。

マーシャリング / ポジショニングデータ、計時データ、車載カメラ、CCTVカメラの調査を終えたスチュワードは、ハミルトン以外のインシデントについては聴聞会で話を聞くまでもなく白だと判断した。

ハミルトンのケースに関してはチーム代表者ともども話を聞くプロセスにまで進んだが、最終的にはいずれのケースについても「他のドライバーの妨げにならないよう適切な行動をとり、他のドライバーに道を譲るために大幅に減速した」結果であり、「不必要」に低速で走行したドライバーはいなかったとして、1985年のインディ500ウィナー、ダニー・サリバンを含む4名の競技審判団はこれ以上の措置を採らなかった。

サインツの「合理的に予測できない動き」

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

夕陽に包まれたロサイル・インターナショナル・サーキットを周回するカルロス・サインツ(フェラーリ)、2023年10月6日(金) F1カタールGP FP1

フェルスタッペンとサインツの一件はQ2で発生した。アウトラップ中だったフェルスタッペンが前を行くクールダウン・ラップ中のフェラーリを交わそうとしたところ、サインツがレーシングライン上でクルマを左右に振った。接触しかけたフェルスタッペンは回避のためにコース外に2輪を落とした。スチュワードはこれを「後続車にとって合理的に予測できない動き」と見なした。

トロ・ロッソ時代のチームメイトの蛇行運転に対してフェルスタッペンは、無線を通して「何なんだよ。今の見た? ディフェンスしてきて、危うくクラッシュするところだった!」と不満をあらわにした。

サインツは聴聞会の中で「SCライン2とライン3の間で指定ラップタイムを下回る必要があったため、他車の追い越しを容認する余裕がなかった」と釈明した。

フェルスタッペンとスチュワードはこの説明を受け入れた。そしてスチュワードは、指定タイムの規定はフライングラップ中でないクルマ同士の事案を想定したものではないとの理由により、ペナルティの必要性はないと判断。警告処分に留めた。

この結果、暫定予選結果がそのまま正式リザルトとなったため、日曜の決勝レースグリッドへの影響はなかった。

F1カタールGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了