F1予算違反騒動、レッドブルに噛み付くメルセデス…1チームは「大規模超過」か
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2021年シーズンの財務規定に違反したとされるレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表がルール遵守に自信を示した事に対し、メルセデスのトト・ウォルフ代表は「おかしい」と噛み付いた。
そして、違反が取り沙汰される2チームのうちの1チームが昨季の予算上限、1億4500万ドルを「大規模超過」していることは公然の秘密だと主張した。
国際自動車連盟(FIA)による会計監査報告を翌週に控えたF1シンガポールGP開幕当日の朝、昨年の財務レギュレーションに違反した可能性があるF1チームが2チームあるとの報道が舞い込んだ。
現在調査中にあると考えられるFIAは現時点で何も明らかにしていないが、疑惑の渦中にあるのは2021年シーズンのF1ドライバーズタイトルを獲得したマックス・フェルスタッペン擁するレッドブル・ホンダとアストンマーチンだ。
これに関してチーム代表のクリスチャン・ホーナーは財務規定の遵守に自信を示したが、昨年、ルイス・ハミルトンの8度目のタイトルを逃したメルセデスの指揮官はこれに食って掛かった。
トト・ウォルフはSky Sportsとのインタビューの中で「クリスチャンがそんなことを言うのはおかしい。彼らは数週間から数カ月間に渡って調査され続けているんだからね。実際、我々全員が念入りに調査を受けている」と述べた。
「ひょっとすると彼はCFO(最高経営責任者)と話をしていないのかもしれない」
違反があったとされる2件いずれのケースも、超過金額が予算全体の5%未満にあたる「マイナー・オーバースペンド・ブリーチ(軽度予算違反)」に分類されるものであると予想されているが、トト・ウォルフによると一方はそうではない。
「我々が理解する限り、軽微な違反をしたチームがいる。これはより手続き的なものだが、もう1つのチームの違反は大規模超過で、より根本的なものだ。こちらは今も調査が行われている」とトト・ウォルフは指摘する。
「これはパドックでは公然の秘密なんだ」
トト・ウォルフはまた、RB18でチャンピオンシップを席巻するレッドブルが取り組んでいると噂される軽量化シャシーに関しても言及し、2021年シーズンの予算超過の影響は2年後の選手権争いにまで影響を及ぼし得ると指摘した。
「重要なのは、2021年に(予算を)オーバーしていれば、それは2022年もオーバーしているということで、つまりは2023年に向けてもアドバンテージを築けるということだ」
「もし、彼らが今年、軽量シャシーをホモロゲーションしたというのが本当なら、翌シーズンにそれを使うかもしれない。つまり、3つのチャンピオンシップ(2021~2013年)のすべてに影響を与え得る連鎖的な出来事なんだ」
トト・ウォルフは更に、予算上限を守るためにメルセデスは「組織内で心から惜しまれる」40人以上の人員整理を行わざるを得なかったと述べ、予算に関するものは如何なる違反であれ「ヘビー級」の問題だと主張した。
「我々は中古パーツを使っている。走らせたいと思っているものを使えていない。開発できるはずのものが開発できない」
2チームの違反が事実だとすれば、焦点はどのような罰則が科されるかだ。フェルスタッペンは昨年、ハミルトンに8ポイント差で世界チャンピオンに輝いた。
レギュレーションによれば、戒告処分から選手権ポイントの減点、コンストラクターズ剥奪まで罰則内容は幅広く、グランプリの出場停止や翌年のコスト上限額の引き下げといったものも列挙されている。
トト・ウォルフは、予算超過によって得られたであろうアドバンテージの程度を考慮した上で、過剰支出が繰り返されるような事態を防ぐために抑止力として機能するようなペナルティを科す必要があると訴えた。
「たとえそれが5%以下のいわゆる軽微な違反であったとしても、他よりも700万ドル多く使うことができるという事を想像する必要がある」
「もしこれが軽いペナルティで済まされるのであれば、誰もが今後、5%を越えようとしてくるだろう」