FIA国際自連、2019年F1レギュレーションの変更を発表。オーバーテイク数の増加狙い、エアロを単純化
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FIA国際自動車連盟とF1は1日、オーバーテイク数の向上及び、より接近したホイール・トゥ・ホイールのバトルを目的とするレギュレーションの変更を発表した。規約の変更により、2019年のF1マシンのエアロダイナミクスはシンプルな形状へと変更される。
変更案は先日のバーレーンGPでF1チームに対して提案が行われ、電子投票の結果、過半数の賛成を得て承認。その後F1ストラテジー・グループ、F1コミッション、世界モータースポーツ評議会において昨日4月30日に正式に批准された。主たる変更の柱は以下の通り。
- よりシンプルな形状のフロントウイング
- 簡素化されウイングレットが禁止されたフロントブレーキダクト
- 幅広かつ奥行きのあるリアウィング
フロントウイングに関しては両翼端のエンドプレートが、リアウイングに関してはDRSがより効率的に動作するようとの意図からフラップが大型化される。バージボード周辺の複雑な空力パーツについては意見がまとまらず、変更が見送られた。
マシンのワイドアンドロー化等、大規模なレギュレーション変更が行われた2017年以降、F1マシンが発生させる乱流が増加。高速域で前走車に接近することが困難となり、オーバーテイク数が減少している事が問題視されていた。今シーズンの開幕オーストラリアGPでは、コース上の追い抜きは僅か5回に留まっている。
単調なレース展開を改善すべく、F1はモータースポーツ部門のマネージング・ディレクターを務めるロス・ブラウンのもと、オーバーテイク数の向上を目指すべく空力学的なワーキング・グループを結成。風洞施設とCFD(計算流体力学)を用いたエアロダイナミクスの研究を続けてきた。
ブラウンは、先日の第4戦アゼルバイジャンGPで発生したレッドブル勢の同士討ちに言及し、原因は複雑なエアロダイナミクスにあると主張。レギュレーションの変更によって防止する事が可能だとの認識を示している。
なお、今回の変更に反対票を投じたチームとしてフェラーリの名が浮上、またレッドブルも同案に同意しなかったものとみられている。本変更案は正式に発行される見通しだが、フェラーリが反対票を投じているとすれば、拒否権を発動する可能性もある。