F1、人工知能用いたリアルタイム分析に6つの新グラフィックスを追加…第一弾「ブレーキング・パフォーマンス」をイモラで導入

2021年F1第二戦エミリア・ロマーニャGPで導入される人工知能を用いたリアルタイム分析「ブレーキング・パフォーマンス」のグラフィックCourtesy Of AWS

人工知能の中核技術、機械学習を使ったF1のリアルタイム分析「F1 Insights Powered by AWS」がアップデートされ、2021年シーズン中に新しく6つのグラフィックが追加される事になった。

その第一弾としてF1とAWS(アマゾン・ウェブサービス)は、今週末の4月16~18日にイモラ・サーキットで開催される第2戦エミリア・ロマーニャGPで新投入する「ブレーキング・パフォーマンス」のグラフィックを発表した。

AIによるリアルタイム分析

F1はAWSと提携する事で、過去65年間に渡って蓄積してきた膨大なレースデータ、そしてマシンに搭載された300個以上のセンサーが生成する毎秒110万点以上ものデータを元にリアルタイム分析を行い、「F1 Insights」としてレース戦略やパフォーマンスに関する様々なデータ分析をテレビ中継のグラフィックとして視聴者に提供している。

過去のデータは「Amazon S3」に保存されており、リアルタイムのデータ収集・処理・分析には「Amazon Kinesis」が使われている。F1のエンジニア達は、開発者やデータサイエンティスト達がクラウド上で迅速に機械学習モデルを構築・デプロイできるよう支援する「Amazon SageMaker」を用いて開発を進めている。

F1はデータが重要視されるスポーツであるため、統計的・分析的データはファンにとって、ドライバーやチームの戦略的判断、マシンパフォーマンスといったものをより深く理解するための手助けとなり得る。

これまでに「タイヤパフォーマンス・グラフィック」「コーナーからの脱出スピード」「ピットストップ戦略予測」「カー・パフォーマンス・スコア」といった12種類が提供されてきたが、2021年末迄に18種類に拡大される事になる。

ブレーキング・パフォーマンス

Courtesy Of AWS

2021年F1第二戦エミリア・ロマーニャGPで導入される人工知能を用いたリアルタイム分析「ブレーキング・パフォーマンス」のグラフィック

イモラでの週末のテレビ放映で導入される新開発の「ブレーキング・パフォーマンス」は、ドライバー毎に異なるブレーキングが、コーナー脱出のパフォーマンスに与える影響を可視化しようとするもので、既存の「コーナー解析」をベースに開発された。

ブレーキングポイントとエイペックスとの距離、制動による低下速度、エイペックス通過時の速度、制動力(KWH)、コーナリング時にドライバーが受けるGフォース量など、様々なパフォーマンス指標がグラフィックとして表示される。

新たに導入される一連のグラフィックについて、F1のデータシステム・ディレクターを務めるロブ・スメドレーは「2021年に向けて、我々はこうした統計セットにより、これまで以上にレースを深く掘り下げていく。レース戦略やパフォーマンス面を深堀りして高度なビジュアライゼーションを用いる事で、レースというスポーツをより分かりやすく、よりエキサイティングなものにしたいと考えている」と説明した。

2021年に登場予定のその他5つのグラフィックスは以下の通り。

カー・エクスプロイテイション

6月11日~13日にジル・ビルヌーブ・サーキットで開催されるカナダGPで導入される「カー・エクスプロイテイション(Car Exploitation)」は、F1ドライバー達がタイヤ、ブレーキング、加速、操縦などの各領域でマシンを限界まで追い込んでいる際に、そのパフォーマンスを理論上の性能限界値とリアルタイムで比較・分析する事で、1ラップあたりの両者の相対的なタイム差を表示する。

エネルギー使用状況

7月16~18日にシルバーストン・サーキットで開催されるイギリスGPでは「エネルギー使用状況(Energy Usage)」が導入される。これはレース中のパワーユニット(ハイブリッドエンジン)の電気的エネルギーの使用状況を示すもので、ライバルをオーバーテイクするためのハイブリッドエネルギーの放出や、バッテリー残量などが明らかにされる。

スタート解析

9月10~12日のモンツァ・サーキットでのイタリアGPで初公開される「スタート解析(Start Analysis)」は、レーススタート時にどのドライバーが最も素早くアクセルペダルを踏み理想的なラインを駆け抜けたのか、また逆に、どのドライバーがスタートで失速したのかを明らかにする。

ピットレーン・パフォーマンス

10月8~10日に鈴鹿サーキットで開催される日本GPで導入されるのは「ピットレーン・パフォーマンス(Pitlane Performance)」だ。これはタイヤ交換のためのピットストップを分析し、どの位のゲインが得られたか、あるいは失ったのかを示す。

アンダーカット分析

11月19~21日のメルボルンでのオーストラリアGPでは「アンダーカット分析(Undercut Threat)」が導入される。これはピットストップの際に、追い抜かれる危険性がある他車を予測するものだ。アンダーカットとは、ドライバーが先行するライバルより早くピットインし、ピットイン後に新品タイヤのアドバンテージを活かして順位を逆転させる戦略の事。マシン間のギャップ、ピットストップによる平均的なロスタイム、タイヤ性能などが表示される。

F1エミリア・ロマーニャGP特集

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