レースを一変させたRBの「ローンチ問題」その詳細と影響を事細かに説明するリカルド、イモラでの”退屈”な63周を経て
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表立って口にしたり、あからさまに態度で表す事はしなかったものの、F1エミリア・ロマーニャGPで抱えたローンチの問題にダニエル・リカルド(RB)が不満を抱えていたのは明らかだった。
2台のVCARB 01は母国観衆が見守る中、7番グリッドと9番グリッドに着いたものの、いずれも蹴り出しで遅れを取り、オープニングラップに各々、2つポジションを失った。
「レース全体を台無しにしたタフなスタート」の詳細について問われたリカルドは「まだ正確な事は分からないけど…」と前置きした上で次のように説明した。
「正直に言って、僕が何かをやらかしたようには感じてないんだ。クラッチを上手く繋げなかった場合は、すぐに自分のミスだって分かるんだけど、今回はそういう感じじゃなかったからね」
「いずれにしても、チームとして解決しなきゃならない。この部分で一貫性が欠けているのが問題で、それがポイント圏外に落ちる原因になっているからね」
「つまり、スタートが上手くいかなかったせいで、その後、隊列の中に入っちゃったわけで、クリーンエアーだと僕らは速いけど、ダーティーエアーの中で他のクルマのリズムに合わせなきゃならなくなるとペースが落ちるんだ。これが今の僕らの弱点だと僕は思ってる」
「もちろん、僕個人としてもまだ改善の余地があるとは思ってるけど、クリーンエアーの中でのペースは良かったように思う。でも一旦、(自分達が本来走るべき)ポジションを失って(自分達よりも遅いマシンに囲まれて)しまうと難しい」
「ストロールとかマグヌッセンがそうだと思うんだけど、終盤に向けて最適な戦略を採って順位を上げたマシンも何台かいたと思うから、その点で僕らも何か見落としがあったかもしれない。だから、そこも調べてみるよ」
「僕らのいる今のミッドフィールドでは、ちょっとしたディテールが重要なんだ。もちろん、まずは僕自身に関するものから始めなきゃならないけど。スタートなんかもそうだね」
「予選ポジションを追い求めて懸命に取り組むなら、(スタートで)そのポジションをきっちり守らないと。いつだって”もしも”があるのは分かってるけど、例えばスタートでヒュルケンベルグの前に留まれていたら、レース全体で前を走れただろうし、隊列の中で走ったとしても少し良い結果を残せたと思う」
「僕らのクルマのペースがトップ8のマシンに及ぶと言ってるわけじゃないけど、(スタートで失敗しなければ)僕らのレースは全く違ったものになったように思う。つまり、僅かなディティールが大きな違いを生むってことさ」
「僕らには良いパッケージがあるわけだから、そういう1%の改善を確実にやっていかないと」
リカルドのレースは事実上、1周目に終りを迎えた。イモラ・サーキットはオーバーテイクが極めて困難なオールドファッションなコースであり、加えて主要ストラテジーが1ストップともなれば挽回の機会はないに等しい。
リカルドは躊躇うような表情を浮かべて少し小声で、「正直に言うとね…ちょっと退屈なレースだったんだ。何人かにそう言ったら、みんな頷いてたけど! ネガティブになりたいわけじゃないよ? 単に事実を言ってるだけだからさ」と語った。
「素晴らしいサーキットだけど、日曜のレースはあまり楽しめないことが多いんだ。まぁ、そのバランスだね。昔ながらのサーキットはリスペクトしてるし、予選は最高なんだけど、日曜のレースはね…レース後に色んなドライバーの顔を見ていると、みんな少し疲れた感じだった」
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が0.725秒という僅かの差でランド・ノリス(マクラーレン)を振り切り今季5勝目を上げた。
モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは5月24日のフリー走行1で幕を開ける。