レッドブル・ホンダ、”DAS”を持つハミルトン相手に健闘「対メルセデスで一歩前進した」とホーナー
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10月11日(日)に行われたF1第11戦アイフェルGP決勝を終えて、レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は対メルセデスとの争いにおいて一歩前進したとの認識を示した。
英国ミルトンキーンズのチームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴うカレンダーの再編を受けて、7年ぶりの復活を遂げたニュルブルクリンクでのレースに幾つかのアップグレードを持ち込んだ。マックス・フェルスタッペンは最適化が不十分であるとしながらも、アップデートされたRB16は「性能が向上」しているとして「良い一歩を踏み出したことは間違いない」と語った。
フェルスタッペンは土曜の予選で僅差でポールを逃す3番手を獲得。レースではバルテリ・ボッタスがパワーユニットのトラブルでリタイヤを強いられると2番手に浮上し、ハミルトンから4.47秒遅れの2位でチェッカーフラッグを受けた。今季5度目の2位表彰台だった。
レースを振り返ったクリスチャン・ホーナーは「マックスがまたもや見事なドライビングで表彰台の2段目に立ったことは素晴らしいことだ。今週末の我々は僅かであるものの、メルセデスとの争いにおいて、その差を少し縮めることができた」と語った。
「マックスは終始、ルイス(ハミルトン)に仕掛けられるだけの距離を保っていたが、44周目にセーフティーカーが導入されて隊列が接近した事で、レースは更に興味深いものになった」
「セーフティカーの導入時間が長かったため、タイヤが冷えてしまう事になったが、DASシステムを搭載するメルセデスのルイスは、我々よりも少しうまく対処していたように思う」
「とは言え、マックスは難しい再スタートを上手く切り抜け、その後は2位フィニッシュに向けて淡々としたレースを戦った」
© Red Bull Content Pool / レースを終えて互いの健闘を称えるフェルスタッペンとハミルトン
この日のニュルは気温10℃、路面温度19.6℃と非常に寒く、タイヤの熱入れが難しいコンディションだった。メルセデスW11には2軸ステアリング「DAS」が搭載されており、ステアリングを前後に動かすことでマシン前輪のトー角を変更し、効率良くタイヤに熱を入れる事ができる。
フェルスタッペンが好走を見せた一方で、この日のアレックス・アルボンは精彩を欠いていた。
クリスチャン・ホーナーは「一方のアレックスの方は、オープニングラップのターン3にかけて激しくタイヤをロックアップさせてしまいバイブレーションが起きてしまった。それは安全上の危険値に近いものであったため早めにピットインさせなければならなかった」と続ける。
「その後は順調にレースを進めていたが、不運にも幾つかデブリを拾ってしまいラジエーターに穴が開き、結果としてエンジンの温度が上昇し、残念ながらリタイアを余儀なくされてしまった」
フェルスタッペンの後には、2018年モナコGPでの勝利以来の表彰台を獲得したルノーのダニエル・リカルドが続いた。ルノーにとっては10年ぶりのポディウムであり、賭けに従ってリカルドとチーム代表のシリル・アビテブールは同じ柄のタトゥーを彫る事になる。
クリスチャン・ホーナーは「表彰台に上がったルノーとダニエル、そしてシリルの3人にも祝福の言葉を贈りたい。今は我々の誰もが、ダニエルがどんなタトゥーをシリルに選ぶのか興味津々だよ!」と付け加えた。
10月11日(日)にニュルブルクリンクで行われた2020年F1第11戦アイフェルグランプリでは、2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が通算91勝目を上げてミハエル・シューマッハが持つ史上最多勝利記録に並んだ。
次戦は2週間後、10月25日にアルガルベ・サーキットで決勝が行われるF1ポルトガルGPが控える。