DRS開けっ放しは可能?それとも無理?F1イギリスGPで注目の第3のゾーン「そんなにメリットないかも」とドライバー

F1イギリスGP木曜記者会見に出席したマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンcopyright Red Bull Content Pool

シルバーストンのターン1をDRS開けっ放しで駆け抜ける恐れ知らずのドライバーは誰なのか? 全開で走り抜ける事は果たして得策なのだろうか?

F1とFIA国際自動車連盟は、F1イギリスGPの舞台シルバーストンのホームストレートに3箇所目のDRSゾーンを追加。新たに設置された区間は距離こそ短いものの、DRSはブレーキ操作と連動する形で閉じられるため、ブレーキをかけずにターン1を通過できれば、理論的にはターン3手前までDRSを使用する事ができる。つまり、史上初の”伸縮可能”なDRSゾーンというわけだ。

これを可能とするには、ターン1を時速300km以上で通過できるだけの強力なダウンフォースを備えるマシンと、無謀とも言えるほどに勇猛果敢なドライバーの2つの要素が必要となる。また、仮にこの両方の条件を満たしていたとしても、そうする事が実際にメリットとなるかどうかは分からない。

この風変わりな第3のDRSゾーンは今回のグランプリの目玉の一つとなっており、多くの注目を集めている。開幕に先立って行われた木曜記者会見でも当然これに関する質問が飛び交った。

「さすがに予選では難しいかもしれないけど、一応みんな試してみるんじゃないかな」とルイス・ハミルトン。マシン性能を考えればメルセデスW09は当然その権利がある。「多分(恐れ知らずの若い)マックスが一番最初にトライするはずだから、僕らはマックスの毒味を待つことにするよ!でも、ターン1にはかなりバンプがあるから結構難しいんじゃないかと思うんだよね」

「かなりの高速コーナーだし、プレッシャーが大きい事に加えてタイヤへの負荷も高いから、DRSを開けっ放しで行った方が良いのかどうかも何とも言えないよ」

ハミルトンの隣に座っていたマックス・フェルスタッペンは、挑戦の権利があるのは「全チームじゃないだろうね」とコメント。「僕としては間違いなく試してみるつもりだけど、検討してみないと。多分思ってるほど多くのゲインはないと思うけどね。さっきルイスが言ったように、リアタイヤを酷使しなきゃならないし。後はウイングのセットアップにもよると思う」

ハミルトンはやや慎重、フェルスタッペンは少し乗り気といった感じだが、パフォーマンスに劣るザウバー「C37」をドライブするシャルル・ルクレールはネガティブな印象を持っているようだ。

「聞いた話だと、DRSが使えなかった去年でさえ1コーナーを走るのはかなり大変だったみたいだね」とルクレール。「まずは全開で走ってみて様子をみるつもりだけど、DRSをオープンにした状態で走るのは難しいんじゃないかな」

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