FIA国際自連、フェラーリ提出の新証拠を却下…カナダGPでのベッテル裁定変わらず
Published:
FIA国際自動車連盟は21日、スクーデリア・フェラーリからの再審査請求についてポール・リカール・サーキットで公聴会を行い、提出された新たな証拠を全て却下した。カナダGPでのセバスチャン・ベッテルに対する裁定が覆る事はなかった。
フェラーリはチームを代表して、スポーツディレクターを務めるローラン・メキーズを公聴会へと派遣。前大会後に独自に収集したベッテルの無実を証明するための新たな証拠を提出した。メキーズは、新たな証拠はベッテルの無実を立証するに「決定的な意味」を持っていると語っていたが、その主張が認められる事はなかった。
カナダGPレーススチュワード団は、チーム側から提示された証拠を検討した後「裁定を下した際に当事者が利用できなかった重要かつ関連性のある新たな証拠は確認出来なかった」として、フェラーリの要求を却下した。
フェラーリから提示された証拠は以下の通り。
- 車両姿勢チャンネルを含む5号車のテレメトリデータ分析
- カメラビューのビデオ解析 (前面、上面、当事者2名のオンボード)
- レース後、スカイスポーツのカルン・チャンドックが行ったビデオ分析
- レース後、F1からリリースされたベッテルのフェイスカメラ映像
- レース後の映像やビデオ映像
- HAMとVETの両方のGPSレーシングラインデータの解析
- VETの証人陳述書
スチュワードは上記7つの証拠の中で、裁定時に得られなかった新たな証拠は3と4のみと判断。その内、3に関しては「第三者による個人的な意見であり、重要性も関連性もない」として却下。5に関しては重要性に乏しいとして、全ての提出物を証拠として採用しない判断を下した。
FIA国際モータースポーツ競技規則(FIA International Sporting Code)では、裁定時に入手不可能であった新たな証拠の提出を条件に、競技者に対して競技後の再審査請求権(同規約第14条)を認めている。提出された新たな証拠が却下されたことで、カナダGPでのベッテルに対する裁定は事実上確定した形だ。