ホンダF1、クビアトのエンジンに想定外のトラブル…ICEを含めた4コンポーネントを交換 / F1中国GP《初日》

上海のガレージへと戻されるレッドブル・ホンダRB15、F1中国GP初日copyright Red Bull Content Pool

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、4月12日(金)に行われたF1第3戦中国GP初日プラクティスを振り返った。

プレシーズンテストを含め、ここまで高い信頼性を発揮してきた今季ホンダ製パワーユニット「RA619H」であったが、午前の1回目のフリー走行の最中にスクーデリア・トロロッソのダニール・クビアトのパワーユニットに問題が発生。データ上で異常が確認された。

FP2開始までの2時間半という限られた時間内では分析を完了できる見通しが立たなかったため、ホンダは今季初のエンジンを決意。内燃エンジン=ICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kの4コンポーネントを交換した。規約では規定数以上のエンジン交換を行った場合に降格ペナルティーを定めているが、今回は対象外。クビアトは予選順位のまま、決勝レースをスタートする事が出来る。

想定外のPU交換の影響で、クビアトは午後のFP2の半分を失うこととなり、走行20周の13番手に終わったが、他のホンダエンジン勢3台は深刻なトラブルもなく、順調に周回を重ねた。

ホンダ勢最上位は、トップからコンマ2秒遅れの3番手を記録したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。上海インターナショナル・サーキットはエンジンパワーが要求されるだけに苦戦が予想されていたが、トップ争いに食い込めるだけのポテンシャルを示した。ただしチェッカー後に、クラッチとギアボックスに問題がある事を無線で報告している。

その一方で、ピエール・ガスリーはフェルスタッペンにコンマ9秒と大きく遅れて10番手。第一セクターは遜色ないペースで駆け抜けたものの、9コーナーへの進入の際にスナップ・オーバーステアに見舞われ大幅にタイムをロスした。

ホンダF1:中国GP初日を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

残念なことに、今日のF1中国GP初日のセッションでは、FP1の終了後にダニールのパワーユニットに異常が確認されました。FP2開始までに解析の時間がなかったため、パワーユニットを交換する事が最善の方法だと判断しました。

結果的にFP2の前半を失う事になってしまいましたが、メカニック達の迅速な作業により、45分の走行時間を確保する事が出来ました。チームに感謝しています。交換したPUに関しては、早急にHRD-Sakuraに送り返し、データ分析を進めていく予定です。

その他のマシンについては、通常の金曜と同様にスムーズなセッションを行うことができました。僅差の戦いが予想されますので、明日以降は更にセッティングを煮詰めて、予選及び決勝に臨みたいと思います。


初日をトップで締め括ったのはメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。2番手フェラーリのセバスチャン・ベッテルを0.027秒という僅差で退けた。3番手にはコンマ2秒遅れでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが続く結果となった。

F1中国グランプリ3回目のフリー走行は、日本時間4月13日(土)12時から13時まで、公式予選は同15時から1時間に渡って上海インターナショナル・サーキットで開催される。

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