トロロッソ・ホンダ、グリップに苦戦し中団後方に沈むも「挽回は不可能じゃない」F1カナダGP《初日》
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モナコとスペインでの好結果を受けて、アレックス・アルボンとダニール・クビアトは「STR14はあらゆるタイプのサーキットで速い」と自信を深めていたが、トロロッソ・ホンダ勢は7日のF1カナダGP初日で思わぬ苦戦を強いられた。
2回のプラクティスでは両名共にトップ10に食い込めず、アルボンがトップから1.259秒遅れの14番手、クビアトが同1.344秒落ちの15番手という結果で初日を締め括った。
スクーデリア・トロロッソは何故ライバルに遅れを取ったのか?チーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、グリップ不足とタイヤのオーバーヒート、そしてグレイニングが主な要因だと説明する。
「誰もがみな低いグリップに苦戦していたようだが、我々の方が顕著だった。モントリオールは路面のインプルーブが激しいため、何かをテストするには向かず、セッションの大部分をグリップとマシンバランスの調整に費やしたが、満足できる状態でFP1を終えることはできなかった」
「午前のセッションの結果を踏まえ、FP2に向けてセットアップを変更した。いくらか競争力を改善させることはできたが、理想とは程遠く、まだまだ調整が必要な状況だ」
「路面温度が高いためオーバーヒートが問題となるが、この点についてもライバルの方がうまく対処していたようだ。また、C4とC5コンパウンドにはグレイニングが発生しており、こちらも解決しなければならない」
確かに状況は思わしくないが、絶望的という程ではない。14番手アルボンと10番手につけたレーシングポイントのランス・ストロールとのギャップは0.265秒。僅差とは言えないまでも、キャッチアップが不可能な差でもない。
セッションを振り返ったクビアトは「今夜の仕事次第で改善できるはず」と語り、予選と決勝に向けて挽回することは不可能ではないと主張した。
トロロッソ:F1カナダGP初日を終えて
アレックス・アルボンFP1: 16位, FP2: 14位
今日は厳しい一日だった。宿題を終えられるように今夜は頑張らなきゃいけないし、明日までにその解決策を見つけ出す必要がある。バランスはさほど悪くないけど、若干ペースが足りないんだ。その理由を突き止めなきゃ。
これまでにも厳しい状況を経験してきているし、きちんとデータを分析すれば問題のソリューションが見出せるはずだ。
ダニール・クビアトFP1: 18位, FP2: 15位
興味深いセッションだったと思う。カナダGPでは毎年、金曜日の夜にがむしゃらに働かなきゃならない状況に陥るんだ。2回のフリー走行で得られた知見をもとに、上手くまとめ上げられるように全力を尽くすつもりだ。
ほんの些細な違いが大きなギャップになり得るから、ライバルに対してどこでタイムを失っているのかを解析する必要がある。今夜の仕事次第で改善できるはずだから、心配はしてないよ。
過去数戦と比べて、ここジル・ビルヌーブ・サーキットは僕らのマシンにマッチしたコースではないかもしれないけど、明日以降挽回できない事はない。
初日をトップで締め括ったのはフェラーリ勢。シャルル・ルクレールが2番手セバスチャン・ベッテルを1000分の74秒差で退けトップタイムを記録した。3番手にはコンマ1秒遅れでメルセデスのバルテリ・ボッタスが続いた。
F1カナダグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間6月8日(土)24時から25時まで、公式予選は同27時から1時間に渡ってジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される。