ルノーF1の最高技術責任者ボブ・ベル、第一線を退く
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ルノー・スポール・レーシングは7月31日、最高技術責任者のボブ・ベル(60歳)が段階的に第一線を退く事を発表した。4輪フォーミュラの最前線で36年を過ごしてきたベテランは、テクニカルアドバイザーという肩書でチームへの関与を続ける。
シリル・アビテブール代表は、今回の人事異動はチームの競争力強化につながるものだと主張しているが、ベルはレース競技以外の分野で職務を望んでおり、パートタイムという形で外部企業との技術開発などを監修する新たな役割を担うことになる。当面の間後任が発表される予定はなく、ベルは暫くの間、現職を継続するようだ。
ルノーは昨年、FIAの技術部門責任者を務めていたマルチン・ブコウスキーの起用を発表。各チームのマシン設計情報にアクセスできる立場にあった人物の引き抜きに、ライバルチームが猛反発するも、ブコウスキーは今年4月からチームに合流し職務を開始した。
北アイルランド出身のベルは、ベルファストのクイーンズ大で航空工学を専攻。1982年に空力エンジニアとしてマクラーレンに入社しF1キャリアをスタートさせた。「ルノー・スポールF1チーム」としてワークス復帰した2016年に現職に就任。チームの技術基盤の構築に汗を流した。
ワークス復帰3年目の今年、ルノーはシーズン前半を終えて82ポイントでコンストラクターズランキング4位を確保。ニコ・ヒュルケンベルグはドライバーランキング7位、カルロス・サインツは11位につけており、フェラーリ、メルセデス、レッドブルの3強に次ぐ4番目のチームとしての評価を確立させつつある。