アレックス・アルボン、注目度の高さを自覚も「浮足立っていない」
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ピエール・ガスリーに代わって、レッドブル・ホンダへと昇格したアレックス・アルボンが、2019年FIA F1世界選手権第13戦ベルギーGPに先立って抱負を語った。タイ国籍のレーシングドライバーは、F1参戦僅か12レース足らずで、優勝争いに食い込めるだけの高い戦闘力を持ったマシンを駆る事になる。
アルボンは過去12レースに渡ってトロロッソ・ホンダSTR14をドライブ。同じホンダ製F1パワーユニットを搭載しているとは言え、レッドブルRB15のステアリングを握るのは今回が初めてとなる。
移籍発表後から、各種メディアで”シンデレラボーイ”的扱いで紙面を飾るアルボン。中団チームとは異なり、トップチームのドライバーに対する注目度は高く、これまで以上に厳しい目に晒される事にもなる。だがアルボンは「浮足立っていない」「自分はまだ成長途中段階」「スパでの仕事に集中している」と語り、落ち着き払った様子を見せる。
2020年シーズンのレッドブル・ホンダのシートは確定しておらず、アルボンが来季も引き続きミルトンキーンズのチームに留まれるかどうかは、ベルギーを皮切りにスタートする後半戦でのリザルト次第。チャンスをモノにできるか?アルボンにとってキャリア最大級のチャレンジが始まる。
注目度の高さを自覚も「浮足立っていない」
アレックス・アルボン
F1では、これほどまでにキャリアの早い段階で、レースで勝利出来るだけの高い性能を持ったマシンをドライブ出来るドライバーは多くない。レッドブルで走れるなんて本当に素晴らしいチャンスだと思ってる。本当に大きな一歩だと思うし、ファクトリーが僕の家の近くにあるのも嬉しいね!
今年のマックスがどれだけの結果を残してきたのかをみれば、このマシンに何が出来るのかは明確だ。これまで僕が慣れ親しんできたクルマと比較してどう違うのか興味深いけど、RB15に乗るのはこの週末が初めてだし、僕は今も修行中の身だから、その点も踏まえなきゃね。
これまでとの一番の違いは、(メディアやファンからの)注目度だと自覚してるけど、僕は浮足立っていない、落ち着いている。色々な意見に耳を傾けて様々なモノゴトを観察しているし、スパでの仕事に集中している。
スパのトラックは最高だと思う。誰もが愛するサーキットだ。高速でありながらもランオフエリアが殆どなく、真のドライバーズ・サーキットである事は間違いない。常に限界を感じながらのドライブフィールは、どこか懐かしい感じさえあるけど、もしミスを犯そうものなら、ウォールの餌食になってしまう。これこそ、レーシングドライバーが切望しているものだ。
僕にとってのスパは、決して相性が良いわけではないけど、昨年のFIA-F2選手権ではポディウムに上がる事が出来たし、そう悪くもない。天気がどうなるか気になるね。
(マシンに関しては)できる限り多くの時間をシミュレーター作業に費やし準備をすすめてきた。今度はチームと一緒にレース週末の一連の流れについて学び、チームに関わるみんなの事を知る番だ。きっと素晴らしい週末になるはずだ!
レッドブルへの昇格は大きな一歩だけど、これまでにも今回のような大きなジャンプを経験し、チャンスを得てきたわけで、特に心配はしていない。僕は完全にフォーカスしているし、後半戦に向けて出来るだけ成長を遂げられるよう、万全の準備を整えたつもりだ。
ベルギーGPの舞台となるのは、1周7,004m、全19コーナーを有するスパ・フランコルシャン。エンジン全開率は80%近くにまで達し、平均速度220kmを超える屈指の高速コースだ。
ドライコンディションとなった昨年のグランプリでは、1周目に4台が絡むマルチクラッシュが発生。2番グリッドのセバスチャン・ベッテルが逆転優勝を飾った。
F1ベルギーGPは、日本時間8月30日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。