自信の源は車体ではなくホンダエンジン…フェルスタッペン、バーレーンGPでのパワー勝負に勝機

笑顔を見せるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、F1バーレーンGP木曜日copyright Red Bull Content Pool

レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、鬼才エイドリアン・ニューウェイが設計を手がけた車体より寧ろ、日本のHRD Sakuraで開発されたホンダ製F1エンジンに自信を感じているのだという。

首脳陣が事ある毎に強調しているように、レッドブルは昨年までのエンジンパートナーであるルノーに大きな不満を抱いていた。信頼性もさる事ながら、特にパワー面でのフラストレーションが酷かったようで、総帥ディートリヒ・マテシッツは「チーム創設後初めて競争力のあるエンジンを手に入れた」との認識を示し、ホンダを大絶賛した。

「プレシーズンテストが始まる前でさえ、僕はかなり自信を持っていた」とフェルスタッペン。自身の公式サイトに次のように語った。「ダイナモでの結果を知っていたからね。テスト期間中はずっと感触が良かったし、トラブルも殆ど発生しなかった」

現行レギュレーションはコスト削減の観点から実車テストを厳しく制限しており、チームはエンジン・ダイナモメーターと呼ばれる装置を用いて各種評価を行い、舞台裏でエンジン開発を進める。フェルスタッペンは今季マシンRB15を実際のコースで走らせる前に、ホンダの2019年型パワーユニット「RA619H」の性能を知らされていた。

「僕らはパッケージについて、特にエンジンに静かな自信を感じてる。オーストラリアGPでは、トラック上での真っ向勝負でフェラーリをオーバーテイクする力がある事を示す事が出来た」

「もちろん、僕らがどのぐらいの競争力を持っているのかについては、もう少し待たなきゃ分からないけど。と言っても、僕らよりも周りの皆の方がその事が気になって仕方ないみたいだね」

フェルスタッペンは、メルボルンで開催された開幕戦の予選でフェラーリ2台の間に割って入り、4番グリッドからスタート。モナコに次いでオーバーテイクが困難とされるアルバート・パーク・サーキットで、跳馬のセバスチャン・ベッテルを豪快に抜き去り、3位表彰台を獲得した。

レースを振り返ったメルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は「ホンダが著しく巨大な向上を果たした事は間違いないと感じている」と語り、以前とは見違えるほどにトップスピードが向上したレッドブルへの警戒を強めている。

とは言え、アルバート・パーク・サーキットは普段はレースが行われない公道コースであり、実力を評価するには気が早すぎる。フェルスタッペンもこの点については慎重だ。

「良い形でシーズンをスタートできたし、すごく楽しかった。でも僕らはまだ改善していかなきゃならない。メルセデスは驚くほどのペースを示していたしフェラーリもそうだ。でも、怖じ気づく程のサプライズじゃなかった」

「今は、更なるステップアップを確実なものにするために、物事をより上手くやりこなす必要がある。僕らは今、その点に集中して取り組んでいる。なぜなら僕らは何時だって常に改善できるからだ」

「メルボルンは少し変わったトラックだけど、ここバーレーンや次の中国では、僕らの立ち位置についてより良いアイデアが得られられるに違いない。現時点では何とも言えないけど、直に分かるはずだ」

今週末の舞台、バーレーン・インターナショナル・サーキットは4本の長いストレートを持ち、3つのDRSゾーンを備えている。まさにエンジンパワーが求められるわけだが、フェルスタッペンはホンダの今季エンジンに全幅の信頼を置いており、ルノーを積んでいた昨年よりも勝機があると考えている。

「より高いトップスピードが発揮できれば、より簡単にトウを得られるし、より簡単にオーバーテイクできる。去年僕は、ライバルよりも遅くまでブレーキを踏まないように頑張った。そうでもしなきゃチャンスを掴めなかったからね。そういう状況では簡単にミスが起こり得る。でも今年はそうじゃない。よりチャンスを掴めるはずだ」

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