劇的結末…残り2周で表彰台争いの2台がクラッシュ、ピアストリ優勝!角田DNF / F1アゼルバイジャンGP 2024《決勝》結果と詳報
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2024シーズンのFIA-F1世界選手権第17戦、アゼルバイジャンGPが現地9月15日に行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がバーチャル・セーフティーカー(VSC)フィニッシュのレースで今季2勝目を挙げた。角田裕毅(RB)はリタイヤした。
51周のレースは残り6周以降、トップ4が3秒以内で優勝を争う大激戦となったが、その結末はある意味、大荒れが定番のバクー市街地コースでのレースに相応しい劇的なものとなった。
2位表彰台を狙うセルジオ・ペレス(レッドブル)は残り2周のターン1でシャルル・ルクレール(フェラーリ)を追い詰めたが、抑え込まれた結果として逆に、カルロス・サインツ(フェラーリ)に3番手を奪われた。
奪還に向けてターン2のイン側に飛び込み、サインツの半車身後方でターン3に向かうと、RB20の右フロントとフェラーリSF-24の左リアが接触。2台は激しくバリアに衝突した。結果、VSCが導入され、レースはそのまま終わりを迎えた。
大量ポイントを逃しただけに両者が不満に思うのは当然だが、特に感情的だったのはペレスの方だった。ペレスはシーズン序盤以降、一貫して不調に喘いでいたが、得意とするバクーで息を吹き返し、表彰台カムバックを目前にリタイヤした。
ルクレールは4年連続でポールを獲得したが、今年もまた勝利に繋げることができなかった。20周目のターン1でピアストリに追い抜きを許すと、ポジションを取り戻すべく猛攻を続けるも、付け入る隙はなく2位に終わった。
レース序盤、ビニール袋がエアボックスに入ったかもしれないと報告を上げたジョージ・ラッセル(メルセデス)は3位表彰台に滑り込んだ。
黄旗に翻弄され、予選Q1敗退を喫したランド・ノリス(マクラーレン)は、主流とは異なるハードスタート戦略を採用。15番手からレースに臨み、8周目にオリバー・ベアマン(ハース)を交わしてトップ10に足を踏み入れると、残り3周で選手権首位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を交わして6番手に浮上し、2台のクラッシュを経て4位でフィニッシュした。
1ストップ戦略が主流となったこの日のレースでフェルスタッペンは、タイヤ交換後、戦略違いのアレックス・アルボン(ウィリアムズ)とノリスに前を塞がれ、徐々にトップ5から引き離されていき、「ブレーキが効かない」「リアグリップが全くない。リアで跳ね上がって接地感がない」と不満を訴える中、34周目にラッセルに追い抜きを許した。
残り3周でノリスに抜かれると、フリーストップを活かしてファステスト・ラップ狙いのタイヤ交換に動いたが、まさにその瞬間にチームメイトがクラッシュしたため実を結ぶことはなく、ノリスがボーナスの1点を加算した。
レッドブルはコンストラクターズ選手権でマクラーレンに逆転を許し、20ポイント遅れのランキング2位に後退した。
角田裕毅はオープニングラップで後方ストロールに衝突され、右サイドポットに大きな穴が開くなど、クルマに深刻なダメージを負った。その結果、ズルズルとポジションを落としていき、16周目にクルマをガレージに入れリタイアした。ストロールはタイヤをパンクし、1周目の終わりに予定外のピットストップを行った。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は孤独なレースを過ごし、上位2名のクラッシュにより6位でフィニッシュした。これに続いたのは予選で好結果を残したウィリアムズだった。アレックス・アルボンとフランコ・コラピントはそれぞれ7位と8位となり、チームに貴重なポイントをもたらした。
ルイス・ハミルトンはパワーユニットのトラブルに見舞われ、最後尾からスタートしたが、それでも9位でフィニッシュし、メルセデスにダブルポイントをもたらした。
ハースの代役ドライバーであるオリバー・ベアマンは、最終的にニコ・ヒュルケンベルグを上回り、10位フィニッシュという印象的な結果を残した。
2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
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1 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 51 | 1:32:58.007 | 25 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 51 | +10.910s | 18 |
3 | 63 | ラッセル | メルセデス | 51 | +31.328s | 15 |
4 | 4 | ノリス | マクラーレン | 51 | +36.143s | 13 |
5 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 51 | +77.098s | 10 |
6 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 51 | +85.468s | 8 |
7 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 51 | +87.396s | 6 |
8 | 43 | コラピント | ウィリアムズ | 51 | +89.541s | 4 |
9 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 51 | +92.401s | 2 |
10 | 50 | ベアマン | ハース | 51 | +93.127s | 1 |
11 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 51 | +93.465s | 0 |
12 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 51 | +117.189s | 0 |
13 | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 51 | +146.907s | 0 |
14 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 51 | +148.841s | 0 |
15 | 31 | オコン | アルピーヌ | 50 | +1 lap | 0 |
16 | 77 | ボッタス | ザウバー | 50 | +1 lap | 0 |
17 | 11 | ペレス | レッドブル | 49 | DNF | 0 |
18 | 55 | サインツ | フェラーリ | 49 | DNF | 0 |
19 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 45 | DNF | 0 |
NC | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 14 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 27℃ |
路面温度 | 47℃ |
周回数 | 51 |
セッション概要
グランプリ名 | F1アゼルバイジャンGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | バクー市街地コース |
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設立 | 2016年 |
全長 | 6003m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 時計回り |