アルファタウリ、アイザック・ハジャーの早期F1デビューを予想…メキシコでの初走行を経て太鼓判
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角田裕毅の代わりにF1メキシコGPのFP1に出走したアイザック・ハジャーについてアルファタウリのフランツ・トスト代表は「すぐにでもF1で走る事になるだろう」と述べ、その将来に大きな期待を示した。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットは平地と比べて空気が22%薄い。それゆえダウンフォースが低く、また路面のグリップも芳しくないため、クルマをコントロールするのが非常に難しい。それでも19歳のフランス人ドライバーは、F1初走行ながらも25周を重ねて17番手を記録。クルマを壊さずに持ち帰った。
チェッカーフラッグを経てハジャーが「人生で最高の日」と喜んだ事について問われたアルファタウリの指揮官は「今日が彼にとっての人生最高の1日であってほしいとは思っていない。レースやチャンピオンシップで勝つことを願っている。人生最高の日であってはならない」と異議を唱えた。
「よくやったと言わざるを得ない。我々の誰もが感銘を受けた。落ち着いてコースに出ていき、プロトタイプ、ミディアム、ソフトと異なる3種類のタイヤを履いたが、その全てで本当に良い仕事をしてくれた」
「技術的なフィードバックも本当に良かった。データと比較すると、非常に高い相関性がある事が分かった。本当に感心している。私は、すぐにでもF1で走る事になるだろうと考えている」
FIA-F3選手権に参戦していた昨年、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはハジャーを「小さなプロスト」 と呼び、4度のF1ワールドチャンピオン、アラン・プロストの後継者となるに相応しいポテンシャルを秘めているとの考えを示した。
ハジャーは今年FIA-F2選手権デビューを果たしたばかりで、今回がぶっつけ本番の実車初走行だった。長年に渡って若手ドライバーのF1初走行を見守ってきたトストは、気後れさせないように「何も気にせず楽しめ」と声をかけてハジャーをコースに送り出した。
「怖じけさせたりせずにモチベーションを高めてやらなければならない」とトストは語る。
「私は楽観的で前向きなドライバーが好きなんだ。決してプレッシャーを背負わせてはならない。アイザックには、何も気にせずF1マシンでの初めてのドライブを楽しめと言った。プレッシャーみたいなものは与えていない。ドライバーがプレッシャーを背負うと、良い走りができなくなってしまうからね」
ハジャーは11月の最終アブダビGPのフリー走行で再びF1マシンのステアリングを握る。ヤス・マリーナ・サーキットではフォーミュラE王者のジェイク・デニスと共にチャンピオンチームのレッドブルRB19を駆る。