ラスベガスは現行F1マシンのために作られていない…否定的なフェルナンド・アロンソ
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ラスベガス市街地コースは現行F1マシンの特性を最大限に活かせるよう設計されたサーキットではないとしてフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、ドライブしていて「あまり楽しいものではない」と述べ、否定的な見解を示した。
アロンソはオープニングラップのターン1でスピンを喫し、開始早々に最後尾まで転落したが、結果的に50周のレースの49周を2セットのハードタイヤで走るユニークな戦略を以て9位入賞を果たした。
ただ、レース内容や成績とは関係なく、全長6.201kmの大部分がロングストレートと低速コーナーで構成されているラスベガスのユニークなレイアウトは、今のF1マシンの魅力を引き出せるものではないと指摘した。
英「Crash.Net」によると2度のF1ワールドチャンピオンは「時速360kmに達する中、グリップもなく、視界も悪く、地獄のようにバウンシングするこの手のサーキットでドライブするのはあまり楽しいものじゃない」と語った。
「傍から見れば、ショーとしては良く見えるかもしれないが、これらのクルマは時速80km/hでコーナーを曲がるようには作られていないんだ」
「鈴鹿やバルセロナ、シルバーストンでポテンシャルを最大限に引き出すように作られているわけで、これは僕らがチャンピオンシップとカレンダーのバランスを取らなければならないところだ」
「今のやり方が唯一の方法だとは思わない。F1マシンが輝きを放つような伝統的なレースも維持していかなければならない」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)もまた、ラスベガス市街地コースのレイアウトに否定的だった。
ショー重視のイベントのあり方や、初日フリー走行を観戦できなかった観客へのF1の対応から、お偉方の発言まで、多方面で批判を口にし続けてきた3度のF1王者はトップチェッカーを受けると、レースは「すごく楽しかった」と述べ、トーンダウンした様子を見せた。
だが、それでも「退屈」と切り捨てたコースレイアウトに対する見方を否定したわけではなかった。
ラスベガスのようなコースがカレンダーに増えていった場合、レギュレーションに関わらずチームは、そのような種類のサーキットに最適化した設計へとシフトしていく事になる。カレンダーの構成はマシンの方向性に影響を与える。
そしてある一定の割合を超えると、例え鈴鹿やシルバーストンといったテクニカルな高速サーキットがカレンダーに並んでいたとしても、路面に張り付いているかのような信じがたい速度でコーナーを切り返し駆け抜けていくマシンの姿は見られなくなるだろう。