角田裕毅、”天王山”で今季最高6番手「何としてもやり遂げねば…」強い想い。トスト引退戦での打倒ウィリアムズ
Published:
11月25日(土)のF1アブダビGP公式予選でキャリアベスト、今季最高の6番手を記録した角田裕毅(アルファタウリ)は、逆転のコンストラクターズ選手権7位によって恩師フランツ・トストの引退レースに何としても華を添えたいと語った。
角田裕毅はレッドブル勢に続く3番手タイムでQ1を通過すると、続くQ2でも8番手を刻み、9月の鈴鹿日本GP以来、今シーズン4回目のQ3進出を果たした。
そして最終Q3では0.116秒差でフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を、0.140秒差でニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を抑えて6番手を獲得した。
アップグレードの投入にも関わらず、初日のAT04はそのポテンシャルを発揮できずに右往左往するような状況だった。ところが、エンジニアの懸命の取り組みを経て2日目は一転、鼓動し始め、予選ではトップチームに割って入るまでの競争力を発揮した。
ヘルメットを脱いだ角田裕毅は「今日は楽しい1日でした。特に予選はそうですね。チームが本当に良い仕事をしてくれました」と振り返った。特に笑顔を見せるような感じではなく淡々とだ。
「新しいアップグレードは理論的には良さそうに見えたのですが、同時にバランスの調整に苦労したため、特に昨日は僕らにとって楽な1日ではありませんでした」
「でもセッション毎に修正を加えていって、着実に感触が良くなっていきましたし、予選でのクルマは本当に良かったです」
「こうした努力がなければ僕が今日、この場にいることはなかったと思います」
この日の角田裕毅についてチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは「見事な仕事ぶりだった」と評価した。
「Q3進出を果たすと新品タイヤでの最後のアタックで傑出したラップを走り、1分23秒台に入れて6番手を記録するなど、終始、とてつもない競争力を発揮した」
「前方に並ぶクルマを見ても、これ以上の結果はあり得なかった。ユーキはこれまでのところ、好調な週末を過ごしている」
日曜の決勝はアルファタウリにとって、7点差でのコンストラクターズ選手権7位を賭けたウィリアムズとの最終決戦であると同時に、2006年の設立から18年に渡ってチームを率いてきたトストにとってのチーム代表としての引退レースでもある。
そのことについて尋ねられると角田裕毅は「正にその通りで、僕らにとっては本当に重要な1戦です」と答えた。
「当然、良い成績を収めたいと思っていますし、何としてもやり遂げなければなりません。良いスタートポジションが得られましたし、(逆転は)可能だと思います」
「精一杯、自分の持てる力を尽くして上位でフィニッシュできればと思っています」
2023年F1アブダビGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間11月26日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。