ダニエル・リカルド、角田と異なるセットアップが問題か…突然の失速に「ミステリー」期待を大きく裏切るQ2敗退
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F1アブダビGP予選で15番手に留まりQ2敗退を喫したダニエル・リカルド(アルファタウリ)は、3番手を刻むなどして好調だった前日の競争力が突如、失われた事を「ミステリー」と称し、困惑した様子を見せた。
リカルドはFP1、FP2ともに同じAT04をドライブする角田裕毅を上回ったが、2台でセットアップを分けて臨んだ2日目は完全に逆転した。FP3では18番手に沈み、予選Q2では、最終的に6番手を刻む事になる角田裕毅から0.235秒遅れた。
10番手通過を果たしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とリカルドとの差は0.164秒と僅かだった。ラップをまとめる事ができなかったのか。それともこれがクルマの限界だったのか。
リカルドは時折、苦笑を浮かべながら「ラップは、まあ、悪く感じたけど、何か大きなミスがあったりしたわけじゃない。正直に言えば、今日は単純に遅かった! 昨日と比べるとね」と答えた。
「もっと見せられるものがあったと思うし、もっと有望に見えた。でも、今日クルマを走らせたら、…スピードが失われているように感じた」
「そういう日もあるよね!残念だけどさ。ちょっとしたミステリーだけど、分析を通して答えを見つけられると思う」
「FP3を終えて、昨日からの変更に関して幾つか戻さなきゃならないように感じたんだ。(それで再び変えてみたけど)予選も同じだった」
「残念、残念だよ、本当に。昨日の段階ではもっと良い感じがしていたのに。遥かに良さそうだったのに。でも結局は、悔しい、悔しい1日になってしまった」
チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズによると、前夜のデータ分析を通して2台のクルマに必要な改善策が「微妙に異なる」ことが判明した。リカルドの方は「フロントエンド」の強化が必要で、角田裕毅の方は「スタビリティ」が必要だった。
FP3は日中に行われるため、予選と比べると気温および路面温度が高い。これを踏まえたうえでチームは最後のプラクティスを通してセットアップ作業を進めた。
その結果、リカルドのクルマに施した変更が「少し行き過ぎていた」ことが分かったため、チームは予選に向けて部分的にロールバックした。だがそれでも前日のような競争力を取り戻す事はできなかった。
アップグレードされたAT04について角田裕毅は初日を経て「以前のクルマと比べるとかなり違う」と語った。リカルドの予選での苦戦についてエドルズは、現時点では原因不明と説明した。
アップデート版のAT04に関する理解が追いついていない可能性がありそうだが、そうであるならば、アルファタウリにはレースに向けて少なからず懸念材料があるということだ。
現在抱えているクルマの問題は、例えばコンディションやタイヤの温め方といった、日曜のレースに向けて改善が期待できるような種類のものなのだろうか?
あるいは根本的な解決が不可能なセットアップに関するものなのだろうか? クルマは既にパルクフェルメ下にあり、決勝に向けて変更を加える事はできない。
「わからないよ。明日、コースインしてクルマが金曜日のような感じになっていればいいんだけど」とリカルド。
「(土曜から日曜に向けて)コンディションが大きく変わるって事はないと思うけど、ちょっとした変数がセットアップを少し狂わせたのかもしれない。ひょっとするとね。だから様子を見てみる」
「明日は典型的な長いレースになる。多くの人たちがハードタイヤを2セット、あるいは別の何かを2セット残しているから、2ストップになる可能性がある。そうなれば戦略の幅が広がるから、そこで何かできればいいんだけど」
「でもまあ今は兎に角、今日、どこで間違えたのかを知りたい」
2023年F1アブダビGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間11月26日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。