インディ500で自信を得たアロンソ「F1以外でも優勝は可能、F1を引退する事への不安はない」
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)は、”もしF1を引退し他のカテゴリでレースをする事になったとしても、自分ならどのシリーズでも勝てる”と語り、自身の将来については何も心配していないと主張した。今週末に行われるF1カナダGPに先立って開かれた公式記者会見の場で明らかにした。
アロンソはまた、マクラーレン・ホンダへの残留の判断は急いでいないと語る一方、残留のためにはチームが優勝のポテンシャルを秘めたマシンを用意することが必要だと述べた。
F1への残留と引退について
F1からの引退も辞さないとするアロンソ。最優先事項は3回目のF1タイトルを取ることだと主張するが、タイトルを取れないようであれば、他のカテゴリでレースを続けるつもりだと語る。インディ500への挑戦が、他カテゴリでレースを戦う自信に繋がったのだという。
「何度も言ってきたように、3度目のワールドチャンピオンになるのが最優先事項だよ。過去16年間F1で走ってきて、ドライブの腕に磨きがかかってると思う。僕がドライブできるベストなマシンはまだF1のマシンのままだ」
「他のカテゴリで異なるタイヤを履いた様々なマシンに乗っても僕は競争的だった。だから将来については心配していない。もしF1でチャンピオンを取れず成功できないなら、僕はまだモーターレースを愛してるから、他のシリーズにってレースをするつもりだ。僕ならどのシリーズでも勝てる」
アロンソは、先月末に開催されたインディ500で一時リードラップを築く大活躍を見せた。マシントラブルによりリタイヤを余儀なくされたものの、F1以外のカテゴリでもその高いドライビング・テクニックを披露した。
優勝の見込みがあれば残留
マクラーレンに残留するためにはどのような変革が必要かと聞かれたアロンソは「僕らは勝たなきゃならない。前にも言ったけど、9月かそのあたりまでに勝てる見込みを得られるなら僕は留まる」とコメント。アロンソは、スペインGPの公式記者会見の場ですでに同様の見解を述べている。
奇しくも、記者会見の前日に、アロンソのボスであるザク・ブラウンが、ロイターの独占インタビューに応じたニュースが世界を駆け巡った。これは、マクラーレンが信頼性と競争力を発揮できないホンダを批判する趣旨の記事であった。アロンソはこれを引き合いに出し、自身の望むものはこれと同じであると語る。
「僕らが望んでいるのは勝つことだし、昨日のホンダに対するザクのコメントそのままだよ。皆もザクがそう言ってくれる事を期待してたんじゃないかな」
「彼は勝利を望むとともに、マクラーレンをチャンピオンシップの優勝候補にしたいと思ってるんだ。ここ3年間、僕らはそういったポジションにいなかった。だから物事を変える必要がある。それはチームにとっても僕にとっても同じだよ。僕は勝ちたい」
「僕はワールドチャンピオンになりたくてこのプロジェクトに参加したんだ。でも僕らはその場所にいない。だから、もし物事が変わらず競争的なポジションにいれないのであれば、たぶんプロジェクトを変えるだろうね」
ただし、あくまでも今はまだ6月であり100%確実な事はない、とも語り、あらゆる可能性について含みを持たせる。アロンソは、何か決定的な事を言っているようで、実は何も言っていない。まるで政治家のコメントのようだ。
9月までに勝てなければ本当にマクラーレンを去るのか?と問われたアロンソは、それは誰にも分からないと語り、肩透かしを食らわす。
「夏明け後の9月とか10月とかその辺りになるまでは、100%確実な事は何も言えないよ。僕はあらゆる可能性にオープンさ」
インディ500で桁外れの才能を世界中に知らしめたアロンソは、日本時間9日(金)23時から始まる、第7戦F1カナダGPで再びフォーミュラ1に戻ってくる。