角田裕毅はアルボンの助言で「非常にポジティブ」な恩恵を受けている、とアルファタウリ・ホンダ
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アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表は角田裕毅がキャリア通算38戦、表彰台2回を誇るアレックス・アルボンの助言によって「非常にポジティブ」な恩恵を受けていると説明した。
第16戦トルコGPの週末にレッドブル・ホンダのリザーブドライバーを務めるアルボンが角田裕毅の”ドライバーコーチ”を務めているとの情報が流れた。
これに関してF1公式サイトはアルボンが「自身の経験から非公式な形でアドバイスを提供する」役割を命じられたようだと報告した。
メキシコGPの舞台、エルマノス・ロドリゲス・サーキットでこの件の真偽について問われたトスト代表は「本当だよ」と認め、アルボンの役割を次のように説明した。
「アレックスは話をしたり、コースの説明をしたりと、ユーキが求めている事を何でも教えてくれている」
「同じドライバーという立場での話だし、私としてはユーキにとってかなりポジティブな事だと考えている。アレックスから多くの知識を得ているわけだからね」
25歳のタイ人ドライバーは2019年にトロ・ロッソ(現アルファタウリ)からF1デビューを果たした後、ピエール・ガスリーに代わってシニアチームのレッドブルに移籍したものの期待された成績を残せず、昨季末を以てセルジオ・ペレスにシートを譲る事となった。
既に2022年にウィリアムズでF1復帰を果たす事が決まっているが、今季はF1浪人生活の一環としてドイツ・ツーリングカー(DTM)選手権に参戦していた。
だがその最終戦の代わりにトルコGPの舞台、イスタンブール・パークに姿を現すと、以降、角田裕毅をサポートし始めた。
小林可夢偉以来となる7年ぶりの日本人F1ドライバーとして今季デビューを飾った角田裕毅は、ポイント獲得というセンセーショナルな形で開幕デビューを飾ったものの、その後はスピンやクラッシュを繰り返し、新人らしい厳しいひと時を過ごしていた。
両者の関係は自然発生的に生まれたのだろうか? それともアルファタウリなり、レッドブルなりが依頼する形で始まったものなのだろうか? そう問われたトスト代表は次のように答えた。
「アレックスはレッドブル・ファミリーの一員だが、ドイツのツーリングカー選手権に参戦していたため自由に動ける週末があまりなかった」
「そこで我々は彼がサーキットに来た際に、ユーキをサポートしてくれないかと頼んだんだ」
「そしてユーキに対して、あらゆる事柄に関する理解を深めるために、助けが必要な事を彼に聞いてくれと伝えたんだ」
「とても上手くいっているよ」
アルボンのサポートによる直接的な成果かどうかはさておき、角田裕毅は直近の2戦でルイス・ハミルトンやキミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソといったF1王者達を相手に見事な防衛戦を演じ、初走行のCOTAではハンガリーGP以来となるトップ10フィニッシュを飾って「今シーズンのベストパフォーマンス」を発揮した。